【鬼滅の刃】冨岡の妹がだいぶ冨岡。

10話 ページ10

「痛い…」



傷だらけ泥だらけ、なんとかお湯は浴びたけど傷に染みてかなり応えた。







「何があったんだA！？」


「…わからない」







時透の怒りの全矛先が私に向けられて打ち合いになった。




何故に。









「…私は、時透を怒らせるようなことをしただろうか…」



「………」←擁護出来ない炭治郎






何故私は休養を兼ねた里で久々に大怪我をしているんだろう。



これは隊律違反にはならないのか。









「は、柱相手に実力が追いついているなんて、Aは凄いな」←全力のフォロー



「そう」






私は思わないけど、炭治郎にしてみれば凄いことなのだろうか。









「…炭治郎は、柱になりたい？」


「目指すものだとは思うぞ」





柱になれば実力と比例して多くの人を救えると炭治郎は言った。



炭治郎は強いし優しいから、きっとできると思う。









「…禰豆子との時間を削いでまで、一般人を救うの」








でも、柱になると、妹の側にさえいてくれない。


柱になると、妹との約束さえ果たしてくれない。








私はそれを知っている。









「それは…」







たとえそれが、二人ぼっちの家族でも。









「最終選別が終わったら迎えに来るって約束した兄さん…、結局来なかった。」









怖くて空腹で、泣きたくて吐き出したくて、それに酷く寒くてとにかく辛かった。




すぐに家に戻りたかったけど、選別の案内会場でずっと待った、7日待った。









「柱になったんだって。だから忙しかったって育手に手紙が届いたらしい」






他人のことばっかり。


私は家族なのに、兄さんの妹なのに。









柱じゃない時は時折山に私の顔を見にきてくれた。鍛錬で泥だらけの私の頬を拭ってくれた。









「Aには、柱のお兄さんがいるんだな」





炭治郎は優しい目をしていた。憐憫ではなく、私を宥めるような、蔦子姉さんみたいな目。






「…水柱」







そういえば炭治郎は柱合会議に参加してたから面識あるかもね、とぼけーっと彼を見つめた。








「義勇さんの！？」



「そう、冨岡義勇…」


「えぇっ！？なら育手って鱗滝さん！？」


「え、うん」







むくりと起き上がって首を傾げた。



どうして炭治郎が鱗滝さんを知っているんだろう。









「俺も義勇さんの紹介で鱗滝さんに稽古をつけてもらったんだ！」

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