30話 ページ30
「その程度か」
「今のところ…」
「どうして一人だけ課題が精神問題なのかね、しかも家庭問題。」
運動能力と技量は全く問題ないけどやっぱり変なミスが多いらしい。
自覚はないけど普段より動きも劣ってるって。
「A、」
「嫌だよなんで私ばっかり」
どうせ冨岡兄妹仲直り計画伊黒ver.でしょ。
なんで私ばっかり。私ちゃんと言ったし、兄さんのターンでしょ、なんか言えよ。(正論)
「胡蝶めの分析によれば冨岡なりにお前を心配している素振りを見せているらしい」
「兄は研究対象か何かなんでしょうか」
コミュニケーション能力が人間の範疇を(負の方向に)超えているのだろうか。
なんだ分析って。
「まずあの冨岡が人に“元気にしてたか”と聞くものか。俺は驚きのあまり歯が全部抜けるかと思った」
「独特の驚きかただね」
なんかこう、びっくりした心臓がまろびでそう。とかは善逸がよく言ってたけど歯が抜けそうって別の病気だよね。
たまに伊黒さんの語彙力が鏑丸以下になるのなんなんだろう。
「お前は知らないだろうが、上弦と戦った後は自ら本部へ赴き仔細報告を聞いたらしい。妹の安否についてな。」
「…たまたま自分も報告あっただけだよ」
伊黒さんも上弦陸戦の戦場と怪我人の報告に向かってたっけ、その時居合わせたのかな。
本部で柱に会うと寿命縮むほどビビるってみんな言うけどその気持ちわかる。
不死川さんとぶつかった時はお互い距離を取って威嚇してたんだけど(野生動物)
悲鳴嶼さんとぶつかった時はこりゃ勝てないわって秒で負けを認めた。
「なんだその目は、またくだらない事を考えているなお前は」
「いや、(図星)」
目線を合わせてくれる優しさはない感じの伊黒さんをボケーっと見上げて首を振った。
「はぁ…、それに俺らの質問は無視を貫く野郎ではあるがお前のことを妹だとはっきり紹介した。自慢の妹なのではないか」
「…そんなに私と兄さんの仲を取り繕いたいわけ、」
なんの得があるのさ、ただこれ以上迷惑かけるなってこと?
「そういうわけじゃない。事実を言ってるだけだ」
あくまで分析結果だって。
「冨岡は口数が足りないがお前を心配しているよ」
「…違う」
「違わない。」
ずっと私を見下ろしていた伊黒さんはついに膝を曲げて里で戦った時の傷を指さした。
「他人である俺がこうもお前が心配なのに、身内の冨岡が心配しないわけないだろうに。」
4352人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時