19話 ページ19
「もっと食べたほうが良いですよ!」
「おにぎりまだあるわよ」
「お味噌汁いる?」
「要らない…」
食え、とにかく食え精神で口にお米を詰められる。
鍛錬よりこっちの方がキツい。
「お前食わねぇなー」
「…ごちそうさまでした」
もう本当に勘弁して欲しい、とモゾモゾとそう口にすればお嫁さん方はやっと退いてくれた。
「普段何食ってんの?」
本部には戻らないし拭いて藤の花の家紋の家にも全然行かないし、蝶屋敷でも治療されたらすぐ出て行くし。って、
なんでそんな知ってんの?私のファンなわけ?
「うーん…木の実とか、草とか…」
「おい米もっと持ってこい!!人間食だ!人間食を持ってきてくれ!!」
いやもう本当要らないです。
お腹いっぱいなんで。
「食え、腹いっぱいで動けなくなるまで食え」
「うっ…」
逃げ出そうと四つん這いになった私の足首を掴んで、カツオを釣り上げるようにヒョイっとあげられた。
え、筋力が化け物なの、私の体重がカスなの?おかしいよね引き寄せ方。
「木の実を食って平気でいられる生命力は大したこった。地味極めすぎだけどな」
私は胡蝶さんのような頭は無いからたまに毒に当たるけど。
まぁ、余計な心配かけさせても面倒だから言わないけど。
「腹いっぱいで動けなくなるくらい食え、毎日命張って戦ってんだろ。ちったぁ贅沢しろってんだ」
喋ってる途中におむすびをぶち込んできた。いや本当にお腹いっぱいなんだって。
「食って筋肉つけろ」
いや貴方が筋肉ダルマなだけでは?
「そんでもうちょい生きる努力しろよ、くそがき」
「…懸命に生きてる」
宇髄さんの胡座の上でほぼ絞め技のように口に食べ物を入れられている。
会話、会話をしよう。会話がないから口に食べ物を入れられるんだ。
「伊黒さんに髪引きちぎられそうなくらい引っ張られても、」
少し休めって強引に止められたし、
「里の一件の後はぶん殴られて気絶して柱合会議に参加したし…」
説明なくぶん殴られたし。
「冨岡と疎遠でも、それでも懸命に生きてるなお前は。」
「………」
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「つーか瀕死になってる攻撃ほとんど味方のじゃねーか」
「…しんどい」
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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時