12話 ページ12
それからぼけーっと刀が出来上がるのを待った。
玄弥は何故か私を気にかけてきた。妹に重ねているのかもしれない。
言っておくけど歳の差一つだから。
「…ねむ」
…堕落してるなぁ…私
ここ2、3日ずっと布団に包まっている。鍛錬しなきゃいけないけどどうも一度乱れると元に戻るのが難しくて。
眠ろうとしていると、足音がして枕元の刃こぼれした刀を向けた。
「野生動物みたいな反応速度だね」
「…時透、」
なんだ、驚かせないで。と刀を置いてもう一度布団に包まった、まだ眠たいの。起こさないで。
「鍛錬バカって聞いてたけど案外眠り姫なんだ」
「…用件あるなら消えて」
「絶対居座るから。」
受け付ける気はないと背を向けるけど、私の横に亡霊のように座り込む時透からの目線が痛い。
「………嫌い」
「何それ、僕のことが?」
「頼み事…」
「あのさ、言葉足らずにも程があるよ」
私は頼み事を遂行できるほどの力がないから、もっと優秀な人に頼んで欲しい。
「…急に切りかかってきた人も好きじゃないし」
「僕そんな事したっけ」
「タチ悪い…」
その忘却システムずるい、とモゾモゾ布団に潜れば剥がされてしまった。
「頼み事あるなら炭治郎のところ行って」
「行ったけど君と冨岡さんがどうのってずっと心配しててさ、」
仲悪いの?と首を傾げるせいで襖から見える光が遮られた。
あぁもう、淡白な人間だと思ったけどしぶといなぁ。
「戻って右行った通りの手前側の家」
「なにが?」
「鉄穴森さんの家」
貴方の刀鍛冶、鉄穴森さんでしょ。とクセの少ない綺麗な刃こぼれした刀を指差して言った。
「なんでそんな詳しいわけ」
「里は庭だよ。(名言)」
まぁ、胸張って言える事じゃないけど。
里の人は優しい人ばっかりだから、こんな私に優しく接してくれる。鉄穴森さんもその一人。
私が時透と抑揚のない話をしていると、また来客がきたみたいで少しイライラしながら起き上がった。
「あ、」
「霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り」
来客は、鬼だったようで時透がスライディング攻撃をしていた。
「…ちゃんと仕留めてよ」
「うるさいなぁ」
まぁ、仕留め損なってたけど。
「享年14とかやめときなね」←不仲
「こっちのセリフだよ寝坊助さん」←不仲
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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時