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26話 ページ26

「修理を呼ぶから夜までに化粧を直しておきなよ」


「はい」





兄様は雛鶴の事見てくるわー、なんて颯爽と逃げて行った。





いつもやってもらってるから化粧の直し方なんて知るわけもなく、ぼーっと仰向けに寝転がって突き抜けた天井から一番星を眺めていると、ヒョコッと黄色い何かが見えた。







「A…?」


「えっ、善逸?」





よっ、と片手をあげて私を覗き込む善逸。






「声で分かるけど…流石にお前化けすぎじゃね?」


「自覚してる…」





善逸の凄いところ、久々に会ったのに昨日も会ったような気がするところ。







「A!」



「んー?」





しーっと人差し指を添えて、善逸は私に手を伸ばした。








「西洋の物語でこういうのがあった気がする」


「お前もそんな本読むんだ」





似合わなっ!と声を上げる善逸。しーっはどうした。



私は椅子に乗って善逸の腕に掴まって屋根の上に出た。








ほんと、随分ロマンチックじゃん。







「どう?俺の王子レベル上がってる?」



「0に何掛けても0だから。」

「お前ぶん殴るぞクソ!!」





ごめんごめん、と着物を少し直して風をあびる。




忍の血が騒ぐー…








「っていうか随分血だらけだけどどうしたの」



「美人なお姉さんに見つめられたら鼻血出るに決まってんだろ!?」



「あ、そう…」




安心したような、引いているような…、なんだこの感情。






「お前ほんっっと…」


「………」









「こんな美人に囲まれて花魁なんて一般人が手出せない超絶美女に面倒見てもらってぇ!?羨ましいんだよこの野郎ぉぉ!!!」



「…………」




「って、言いたいところだけど」



「言ってんだよなぁ」






心の中に留める事は出来ないのかな善逸って。





マジ一瞬胸ぐら掴もうとした行き場のない私の右手よ、落ち着け。









「…でもさ、Aのこんな音、俺聞いたことないからさ」





今まで私がどんな音をしていたのかは知らないけど、今はあまり良い音ではないのだろうか。









「しかもお前、辛いとすぐ愚痴吐くのに、何も言わないじゃん」



「………」








「俺が頼りないだけかもしれないけどさ」



「…そんなことないよ。」








___







_









(何でこんな寂しい音させてんだよ)






(いつもみたいにワガママ言えよ、バカ)

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(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時

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