【鬼滅の刃】無一郎君は知らない。

28話 ページ28

「ごめんなA…」


「大丈夫だって」





目を覚ました炭治郎は大騒ぎで、ごめんだの善逸がいなくて良かっただの何だか嵐の様だった。



そしてお面の男の子、もとい小鉄君とは結構距離が縮まって、名前で呼び合う仲になった。







「それで小鉄君さ、これは何？」



「緑壱零式です」






これは夜見たら腰抜かすわぁ、と私は一歩下がって鑑賞していた。






「ヨリイチって誰だし…。」






どうもこれを動かす鍵を巡って無一郎君と争ったらしい。うーん、男心って分からない。









私が頭を悩ませていると、動き出した緑壱零式に炭治郎君はボコボコにされていた。





「うわっ、大丈夫？」




「Aさんも鬼殺隊士ですし、一戦どうですか？」


「うーん…じゃあ少し」





腕6本のロボット、正直顔が怖い、顔が。剥がれてるし所々。






私は竹刀を借りてロボットの前に立った。







「あっ…避けるだけならすごく簡単」




攻撃の範疇で飛んだりしゃがんだりして、どうやって攻撃を当てようかなー、と考える。






甘露寺さんみたいにうねらないし、何よりずっと同じテンポだから別のことを考えながらでも避けられる。







「A！浴衣が、浴衣がはだけてるぞ！」



「えっ？ぐはっっ…！」


「あぁぁすまない！俺が余計なことを言ったせいで…」





驚いて自分を見ると脇腹に攻撃を受けて吹き飛んだ。






「すまない大丈夫か！？」



炭治郎は上着を広げてそれを私にかけるなり腕を引いてくれた。









「ごめんね、ありがとう」




「俺の方こそ…それにしても凄いなAは！」






動きが滑らかだった、と言われて涙ながらの柔軟の甲斐があったのかな、と思った。




まだまだ実践には向けられてないから頑張らなくちゃ。









「すみませんA嬢ー…」



「大丈夫だよ、減るものじゃないから」




私もつい楽しくなって浴衣なの忘れてた。と小鉄君に笑うと、炭治郎君に怒られた。






「嫁入り前の娘がそんな事を言うんじゃありません！！」


「え、ごめんなさい」






ガミガミ叱りつける炭治郎君、絶対長男だ…なんて再度思いながら、気をつけます。と謝って、私はシャワーを浴びる為に宿泊所へ向かった。

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