【鬼滅の刃】無一郎君は知らない。

25話 ページ25

「ほぉぉぉぉ…」


「気持ちいいわねー」






刀鍛冶の里、長の方に挨拶を済ませて私たちは温泉へ。





ここへ来るまで沢山の隠の方々に出会ったけど後藤さんはいなかったな…、元気になった姿を見せたかったのに。






「刀が直ったら任務へ行っても良いんですよね」



「そうよ、私は今日此処を出るけどAちゃんはゆっくりしてね」





行き過ぎた訓練を頑張っちゃってたから、と言われて、確かに柱の方と打ち合いなんて贅沢な時間だったと思った。カナヲさんもかなり強かったし。







そういえば結局あれ以来無一郎君に会ってないな。







いつか任務をしていたら出会えるかな


柱になったら会えるかな







「良い湯だったわね」


「ですね」





私たちは借りた浴衣に腕を通して外に出た。





すると前から足の長い男性が向かってきた。ここの里の人…？もしかして鬼殺隊かな。









「こんにちはー」

「こんにちは！」





「……………」




「無視！？」



甘露寺さんと挨拶するも、どスルーをかわされ私たちは振り返る。





すると彼はもう温泉の暖簾を潜っていて。








「何か嫌なことがあったのかな…」



機嫌悪そうだったし…








「そうね、あー！炭治郎君だ！炭治郎くーん！！」



「炭治郎君？」




甘露寺さんと同じ方を向くと額の傷と珍しい耳飾りをした男の人が立っていた。







「炭治郎、さん？」




「竈門炭治郎です！こっちは妹の禰豆子！」


「勿忘Aです」




よろしくお願いします。と握手をすると、不思議そうに私たちを見る炭治郎君






「私たちはあれよ、お友達？私は勝手に妹のように思ってるわ！」


「お、恐れ多いです…」




お友達か、でもちょっと嬉しいな。


それと、私も姉のように思ってます。







「炭治郎君は…柱？」



「いえ！裁判にかけられそうになった身分で！」


「……うん？」




複雑そうだったから詮索はやめた。









「それより聞いて！さっき声をかけたら無視されたのよぉ」



「目つきが悪い脚が長い男性ですよ、気を付けてくださいね炭治郎君」





私たちがめそめそしていると、







「もうすぐ晩ご飯が出来るみたいですよ、松茸ご飯！」



「えーっ、ほんと！？」





甘露寺さんはそう言って鼻唄混じりに去っていった。





「ふふっ…」



無邪気な人だなぁ




「これからよろしく！A！」


「うん、よろしくね炭治郎君」

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