非公開 (ページ37)

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事態は、着々と面倒な方向性へと進んでいた。

『…ほら、お水です。
飲んで下さい。』

「…ﾋｯｸ、…いらない」

『…駄目ですよ。ちゃんと飲まなきゃ…

…って、何してんですか。』

むに、と両頬を掴まれる。

赤らんだ顔で私を見下ろしながら、
彼はニコリと微笑んだ。

「…んふふ、
ほんとぉに可愛いなぁ、…お前は…。」

私は思わず目を丸くする。

……酒というのは、本当に恐ろしいものだ。

完全に別人格が生まれてるじゃん。

誰だよコイツ。

「ねぇ、…Aは俺のこと、すき…？」

甘ったれた声で、
突如、謎の愛の確認をさせられる。

『…えぇ、まぁ。』

「…んもぅ、ちゃんと言って。…ﾋｯｸ」

…あー、もうめんどくさいな…。

『…好きですよ、おそ松様。』

仏頂面でそう言うと、
彼はふにゃりと笑い出した。

「……んへへっ、

俺もAのこと、だーいすき。

……あいしてる、…んふふっ、」

『そりゃどーも。

…さぁ、もう寝ましょう。
お布団敷きますから。』

「……やだ、」

つん、と
口を尖らせては、

唇に口付けをされる。

「……ねぇ、…A。
……このまま、…しよ…？」

腰に手を這わされ、
とろんとした瞳で囁かれる。

あ、察した。

…このクソ狐、

この期に及んで、

酔いの勢いに任せて
私を抱くつもりだ。

『…駄目です。』

「……なんで？

俺達もう夫婦だろ…？
…ちょっと触るだけ…」

『駄目です。
我慢して下さい。』

「…ぅ、やぁだ、」

『…やだじゃないです。
さぁ、もう寝てください。』

「…チッ、なんだよつれねぇなぁ…、
貧乳のクソガキの分際で…」

『永眠させますよ。』

「…“まな板”。」

グーでパンチした。