非公開 (ページ21)

今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:85,286 hit

76 ページ21

『……狭苦しい家ですけど、どーぞ。』

きぃ、と自宅の玄関ドアを開け、
奴を部屋の奥へと追いやる。

……結局、家に連れて来ちゃった……。

まぁ、変な所にフラフラされても困るから、
仕方ないんだけども。

……ここは、“人間”の住んでる世界で、
この人は仮にもれっきとした“神様”。

本当は、干渉するべき場所じゃない所に居るんだ。

極力、彼に外を出歩かせないようにしないと。

「ここがお前の住処か。
…随分とみすぼらしい場所に住んでるな。」

『…ボロ神社に住んでた人に言われたくないです。』

「相変わらず可愛げの無ぇ奴だなお前は。」

『貴方こそ、その口の悪さは一体いつ治るんですか。』

……なんだか、神社に戻って来たような気分だ。

貴方とは別れたばかりの筈だったのに、
こうやって口喧嘩をする事すら、久しく思えてしまう。

ほんの少しの時間だけで、

こんなにも恋しくなるものなのだろうか。

「……A、」

黙り込んでいると、頬に手を滑らせ、
静かに身体を抱きしめられる。

『…ん、…』

柔らかい。

優しい香り、
……それに温かい。

私の背中をゆっくりと撫でる彼の手が、

突如、私の服の中に突っ込まれた。

『………ひぁッ…！？』

ぴくん、と跳ねる身体、
おまけに変な声まで出る。

え、

……なに今の。

『……ッあ、ちょ、
…へっ！？』

思わず身をよじる。

もぞもぞと素肌を撫でられる感覚。

あ、待って…、
それやだ。

むり。やめて、

『…ひ、…んッ…！？
ぁ、……ぅ、…ッちょっとっ！！』

「…おい、暴れんな。」

身体を抱き留められたまま、

強引にベッドに押し倒される。

…え、何この展開。

『…わッ、ちょっと。

…何を…
んッ、痛っ。』

布の擦れる音。

馬乗りをされたかと思いきや、

骨が折れるんじゃないかってくらい強い力で、
両手首を抑えつけられる。

「……お前のお仕置きが済んでねぇだろ。

約束通り、

…とことん抱き潰して、
善がらせて啼かせてやるよ。」

『…ひッ……っ、』

如何にも、この状況を楽しんでいる
彼の高揚した顔。

今度こそ、

喰われそうな予感がした。