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阿部はUtopiaに入りたい人間をいくらでも受け入れた。強くなりたいと願うものがいれば、成功するかはともかくとして誰でもconfusionさせた。これにより、Utopiaの勢力はどんどん拡大していった。
しかし、A-chipを誰かに与えることはなかった。手持ちのA-chipはまだあったが、confusionを成功させるために大切に取ってあった。
やがて、佐久間や向井も第零班に加入した。佐久間が加入した時点で、彼の家族はUtopiaの犠牲になっていた。
佐久間の過去を知った宮舘と渡辺は酷く心を痛めた。阿部は大した感情は抱かなかった。
Utopiaは勢力を拡大させたが、阿部はA-chipにしか興味が無かった。
下っ端の起こす事件の大半は阿部の指示によるものでは無い。勿論阿部が指示した事もあったが、大体の事件は下っ端が勝手にやった事である。
佐久間の家族は、その勝手に起こされた事件に巻き込まれて亡くなった。
だから阿部は、残念だったね、ぐらいにしか思わなかった。
宮舘も渡辺も、エスカレートしていく阿部の行動に着いていけなかった。
しかし、阿部をここまで壊したのには自分たちにも責任がある。彼等はそう思っていた。
あの時、渡辺が研究を頑張れなどと言わなければ。宮舘が阿部にconfusionを施さなければ。こんな事にはならなかったかも知れない。
だったら、この落とし前は自分たちでつけなければいけない。
そう誓った二人は、阿部に加担しながらも彼を止める機会を狙っていた。
向井が第零班に加入してしばらく経った頃、目黒はUtopiaに誘拐された。「Blood」の適合者として白羽の矢が立ったのだ。
目黒が向井と知り合いだった事は知らなかった。あの日、二人が再会したのは全くの偶然である。知っていたら、阿部はただの好奇心で二人をもっと早く会わせていただろう。
confusionは成功した。久々の成功に阿部は非常に喜んだ。
しかし、目黒は能力を手に入れた代わりに精神を犠牲にした。今までで最も重い副作用だった。
その日から、目黒は喜々として自らを傷つけ、異常なまでに誰かの血液を欲しがるようになった。
最初、阿部は目黒をどう飼い慣らせばいいか悩んだ。しかし後に、都合の悪い人間を消すために目黒を利用するようになった。
阿部からすれば、自分にとって邪魔な人間を消せる。目黒からすれば、欲しくて仕方ない他人の血を得る事が出来る。win-winの関係とはこの事である。
こうして阿部は、目黒に殺人をさせるようになった。
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ふわふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の最後まで展開が読めなくて魅入ってしまいました。読んだ後は言い表せない気持ちになって…終わってしまうのは寂しいですが、この作品に出会えて良かったです。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫茶(プロフ) - 最後まで面白かったです。完結お疲れ様でした。ものすごく楽しい時間をありがとうございます。今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月16日 0時) (レス) id: 49683351d4 (このIDを非表示/違反報告)
87(プロフ) - 完結お疲れ様でした！本当に大好きな作品で、終わって欲しくないとすら思っていました、、なんだかすごく大きな問いを私たち自身にも投げかけられたような気分です。楽しませていただき、本当にありがとうございました！今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: 14f6dae557 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白かったです！毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！ (2020年6月14日 14時) (レス) id: c32ac9b701 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 完結お疲れ様です!!怜さんの作品の更新を毎日楽しみにしてました!!またいつかこういう能力系などのすごい作品が作られるのを待っています!! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f176b79d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月5日 21時
