チップ/1 ページ29
飛び降りたのが二階だった事と宮舘たちの素早い対応のおかげで、阿部は一命は取り留めた。
しかし、その意識は未だ戻らない。
毎日誰かは阿部の病室に足を運び、彼が何時か目を覚ます事を願い続けた。
それでも彼が目を覚ます事は無かった。
ボスが消えた事でUtopiaは壊滅した。
構成員はあの日、第零班が倒したこともあってほとんどが逮捕された。
Utopiaが壊滅した事により、第零班の活動は激減した。
ただA-chipを管理し、国の監視下に置かれて生活するだけの日々が続いた。
第零班のメンバーは、ラウールから全てを聞いて事の真相に酷く胸を痛め、阿部が自ら死を選んだ事に大きなショックを受けた。
数日間は葬式のような雰囲気の中で生活をしていた。
それでも、時が経つにつれて彼等は少しずつ前を向くようになった。
宮舘と目黒はそのまま第零班に加入した。
敵では無くなった今、宮舘は第零班のメンバーとも打ち解け、徐々に馴染みつつある。
目黒の状態は再び悪化した。
暴れる事こそ無いが、誰の声にも鈍い反応をするようになった。
そして誰とも＿＿向井とすら＿＿会話をしなくなった。
彼の精神を読み取った宮舘曰く、生きる事には絶望しているがわざわざ死ぬのも面倒臭い。その思いで毎日をやり過ごしているらしい。
あの日からラウールはずっと塞ぎ込んでいた。
食事や仕事以外の時は、ほとんどの時間を自室に籠もって過ごすようになった。
どうしても拭えない罪の意識は、時間でもそう簡単に解決してくれる問題では無い。阿部の病室にも、ラウールだけはまだ行った事が無い。
深澤たちは罪の意識に苛まれるラウールに寄り添い続けた。
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ふわふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の最後まで展開が読めなくて魅入ってしまいました。読んだ後は言い表せない気持ちになって…終わってしまうのは寂しいですが、この作品に出会えて良かったです。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫茶(プロフ) - 最後まで面白かったです。完結お疲れ様でした。ものすごく楽しい時間をありがとうございます。今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月16日 0時) (レス) id: 49683351d4 (このIDを非表示/違反報告)
87(プロフ) - 完結お疲れ様でした！本当に大好きな作品で、終わって欲しくないとすら思っていました、、なんだかすごく大きな問いを私たち自身にも投げかけられたような気分です。楽しませていただき、本当にありがとうございました！今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: 14f6dae557 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白かったです！毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！ (2020年6月14日 14時) (レス) id: c32ac9b701 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 完結お疲れ様です!!怜さんの作品の更新を毎日楽しみにしてました!!またいつかこういう能力系などのすごい作品が作られるのを待っています!! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f176b79d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月5日 21時
