ブラッド/1 ページ41
阿部の指示で岩本たちが車から飛び出し、ラウールは深澤と車で待機していた。
角を曲がった先に待っていたのは、ゆったり歩く男の後ろ姿。
もはやグローブなんてつけていないし、フードも被っていない。
右手に赤く染まった日本刀を持っている。間違いなく彼が「吸血鬼」。
sk「止まれ!!」
銃を構えた佐久間の声で男がゆらりと振り返る。真っ赤な瞳がぎらつくのが見えた。
顔も体も真っ赤に染めて虚ろな目を浮かべた彼は、岩本や佐久間を視界に捉えると嬉しそうにけらけら笑った。
iw「……やべえな」
sk「阿部ちゃん……撃っていい?」
kj「だめ!!」
阿部が答える前に聞こえた叫び声。岩本と佐久間が振り返ると、向井が顔面蒼白で震えていた。
目には光るものを浮かべ、目の前の現実を否定するように小さく首を振る。
そんな様子を見て、察しない鈍感な人間はここにはいなかった。
kj「嘘や……嘘やろ、なあ」
iw「……知り合いか」
kj「なんで……っ」
「あははっ、」
なおも笑みを浮かべる彼に、消え入りそうな向井の声は届いていないようだった。
手の中の日本刀がどろりと溶けて赤い液体と化す。その液体で新たに形作られたのは拳銃。
銃口が向けられた先にいるのは向井。男が舌舐めずりをした。
立ち尽くした向井は逃げようとしない。
ab《康二!!》
男が引き金を引いた瞬間、佐久間が男の手を撃ち抜いた。向井には悪いが、もはや攻撃しない手は無い。
佐久間のおかげで向井に弾は当たらなかった。銃を落とした男は手を撃たれてもなお、何かに取り憑かれたかのようにくすくす笑い続けている。
恐怖を感じた佐久間がもう一発撃ち、今度は男の右肩を貫いた。
笑うだけで動こうとしない男を見て、岩本が確保に動いた時だった。
「ははっ……あははははっ!」
肩の傷口からめきめきと赤い触手のようなものが伸びた。
嫌な予感がして、岩本も銃を構えて触手を撃った。しかし触手はびくともしない。
iw「なんなんだよこれ!?」
sk「うわっ……!!」
思わず立ちすくんだ岩本と佐久間を、触手が地面になぎ倒す。
岩本が立ち上がる前に、その足に尖った先端を突き刺した。
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怜(プロフ) - いきるちゃんさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けてとても嬉しいですありがとうございます! 書けば書くほどシリアスになっていくんですけど…笑 どうか最後までお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年5月18日 23時) (
レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
いきるちゃん(プロフ) - はじめまして！今の生活で1番楽しみにしている事がA-chipを読んでいる時間といっても過言ではありません！当方宮舘担なので、もう湧きまくりですよ(いいため息)こういう役どころのドラマとか現実でも来て欲しいと思ってます笑 これからも更新楽しみにしております (2020年5月18日 21時) (レス) id: 0fef891ab6 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - さなさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けると凄く嬉しいです! 今後ともよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! あの2人にはいろいろあります、今は何も言えないですけど() ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
さな - とても面白くて読むのが楽しいです！これからも頑張ってください！応援してます！これからも！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 40c01c4cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年5月10日 16時
