第二十話 「呆れ」 ページ22
「違うよ〜」
「何が違うッてンだ!こんな無残な姿に出来る人間は姐さんか太宰位だろうが!」
___中原さん。其れ、私がやったんです。
そんな事を思っていると太宰さんも、
「其れはAがやったんだよ」
と、遺体を指差し乍ら目を大きく開き、少し口をすぼめた。まるで、不思議な様子を顔で表していたのだ。
「ほら、此処とかは私とやり方が少し違う」
「だからッてよォ……」
そう中原さんが続けようとするのを遮って、私が口を開く。
『中原さん。事実です』
「Aまで……」
頭を悩ませる様子をみせた中原さんに、太宰さんが一言。
「実際、返り血塗れなのはAだけだろう?」
__明らかである。
そう云って呆れたような顔を浮かべた太宰さん。
其れを聞き、太宰さんの胸倉から手を離した中原さんは此方に近づいてきた。
「手前も結局はマフィアだな」
『どういう意味ですか』
「ハッ……また今度教えてやるよ」
そう云った中原さんは私の頭をクシャクシャと撫でる。
『……子供扱いしないで貰えます?』
私がそう云うと、
「手前以外に俺より身長が高いやつが、少ねェンだよ。認めたくないけどな」
と云って子供らしい笑顔を浮かべる。
『はぁ…』
私はそう溜息を吐き、抵抗する様子を見せずに居ると、太宰さんが頬を膨らませた顔で、
「……行くよ」
と手を引っ張る。
『はいはい』
後ろでは制止する声が聞こえたものの、
結局、追い掛けて来る様子は無かった
__暫く廊下を歩いていると、姐さんに出会った。
「どうしたのかえ?その返り血は今日は外での任務は無かったろう………!っもしかして太宰。Aに拷問をさせたのかえ?」
姐さんが興味津々な顔で此方を見る。
「そうですね」
「結果は……」
「私は何も教えていないにも関わらず情報をちゃんと引き出していました」
「…っ!彼奴のかえ?」
「ええ、奴です」
其の言葉の意味がよく分からずつっ立っていると、姐さんが「凄いでは無いか!流石Aじゃ!」と云った様子で頭を撫でてくる。
__今日は頭を撫でられる事が多いな。
そんな事を思っていると、
姐さんが口を開き始めた。
「彼奴は情報を一向に吐かなかった、迚執拗い奴だったと聞いておったのじゃ。他の構成員でも対処出来ず、結局私等の所まで回ってきた位じゃ」
『でも其れを太宰さんが放置して、私にやらせた…ということですか?』
私は理解し、そう口に出して呆れた。
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A(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )さん» こちらこそ、素敵なイベントに参加させて頂きありがとうございます!!りりり様に言われては、更新頑張るしか無いですね……頑張ります! (2023年4月10日 15時) (レス) id: f26a97b124 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )(プロフ) - Aさん、イベントご参加ありがとうございました〜!! 双黒以外にも姐さんや首領との絡みが見れて文スト民として嬉しい限りでした…!これからの中也と太宰との任務も気になる…!! これからも更新頑張ってください!! (2023年4月9日 23時) (レス) @page15 id: d3e59adc40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2023年3月29日 6時