第十八話 「幹部補佐」 ページ20
資料を見て、妖しい笑みを浮かべた太宰さんは此方をサッと素早く振り向いて、
「じゃあ、行こ。幹部補佐のA君？」
『嫌です…………』
「嫌も何も、決まってるんだから。それに、私に逆らった者の結末位君なら少し考えれば分かる筈だ」
「A、何かあったら相談のるぜ……」
『ありがとうございます……中原さん、助けてはくれ』 「諦めろ」
『そんな……』
「私の機嫌が悪くなる前に着いてくる事だね」
そう云った太宰さんは、強引にも私の手を取り、引っ張ってきた。
『痛いっ……痛いです！』
「知らないよそんな事。死んで無いだけマシだ」
＿＿この人には優しさが無いのだろうか……？
そんな事を思い乍らも、太宰さんの……幹部の執務室に足を踏み入れた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「取り敢えず、そこら辺のやつ全部やって。後は私の邪魔さえしなければ良いから」
『何と乱暴な……』
「拒否権無し」
『分かりました……』
私は云われた通りに仕事をこなす。
そして、一通り終わった所で姐さんからの呼び出しが入った為、姐さんの下へ赴く事にした。
『姐さんの処へ行くので、失礼します』
「…………」
＿＿前の幹部補佐の人達が居なくなったのもよく分かるとそう思った。
「A姐さんの所行ったら、仕事はもう無いから帰って来なくていいよ」
後ろでそう云う声が聞こえたが、私は立ち止まる事もなく、少し頷いてから自身の手で支えていた扉から手を離した。
『＿＿?!』
驚いた私は後ろを振り向く。
其処には黒い外套を羽織り、包帯を巻いた人が、扉を片手で支えつつも、もう片方の手では私の手を掴んでいた。
先程とは違い、優しく包み込むようだった。
「ねぇ、君、私の補佐は嫌だろう？」
『嫌ですけど…』
「………知ってたさ。でも、私の補佐は必要なのだよ。私がいつ消えるか分からないからねぇ、森さんが付けたがるんだ。だから私は考えた。上司としてではなく、友達として接してみないかい？」
『冷酷で、頭が切れて、残酷な幹部殿が可笑しくなった……』
そんな事を至って真剣に口に出してみると、
太宰さんは、「……失礼だねぇ」と呟く。
「まぁ、良い。私と友達になってもろくな事が無いと思っているのだろう？そんな事ないさ。例えば、私は君体術を教える事は出来ないが、そうだね………拷問の方法なら十分教えられる。……細々とした所までね」
太宰さんはそう、悪い笑みを浮かべた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )さん» こちらこそ、素敵なイベントに参加させて頂きありがとうございます！！りりり様に言われては、更新頑張るしか無いですね……頑張ります！ (2023年4月10日 15時) (
レス) id: f26a97b124 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )(プロフ) - Aさん、イベントご参加ありがとうございました〜！！ 双黒以外にも姐さんや首領との絡みが見れて文スト民として嬉しい限りでした…！これからの中也と太宰との任務も気になる…！！ これからも更新頑張ってください！！ (2023年4月9日 23時) (レス) @page15 id: d3e59adc40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：A | 作成日時：2023年3月29日 6時
