【実況者】吾輩は…【wrwrd】 (ページ3)

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１噺ページ3

Aside

私の朝は遅い。

欠伸を一つして、前足を伸ばすと自然と背中も伸び中々心地がいい。
猫になってから随分高いところにあると感じる時計を見上げると、１０時を指していた。

人間だったらとやかく言われるだろうが、猫なので何言われない。
すると突然コトンと、ササミが置かれる。

見上げると、新緑の瞳がこちらを覗いていた。
じっと見返していると、大きな掌で頭を強めに撫でられる。

ゾム「よう寝とったなぁ～」

ワシャワシャ～と雑な撫で方だが嫌いじゃない。
スッと手が遠のいて顔を手で覆われ耳を触られる。

ゾム「んじゃ行ってくるわ」

彼は、そのまま立ち上がって、そのままスタスタと歩いていった。
…仕事にでも行ったのだろう。

悲しい事だが仕方ない。
私は目の前のご飯を食べることに専念する。

╋ ╋ ╋

余すことなく食べ終わった食器の端っこを噛んで、トテトテと誰もいない廊下にズリズリと引きずって歩く。
その時、ヒョイっと体持ち上げられた。
持ち方でわかる。
手を差し出され、食器をそっと差し出された手に乗せる。

兄「ん、」

持っている手で首のところをくしゃくしゃと撫でられる。
兄さんは優しい持ち方をする。
基本的に動物に優しいみたいだ。

兄「偉いなA」

私は、ぺろりと頬を舐め上げる。
兄さんはクスリと笑い、私が向かっていたキッチンの方へ歩き出した