割って入る声 ページ42
絶景を楽しんだ後は、上野へ出た。
さっきよりももっと人の多いアメ横で楽しむ買い物。
物珍しいものに、ドンへは無邪気な顔で目を輝かせた。
食事をして、Aのマンションの近くまで帰って来たのは、22時を過ぎていた。
DH「楽しかった！」
「良かったです。」
DH「明日はどこに連れてってくれる？」
「え。明日も行くんですか…？」
DH「仕事終わってからでいいよ？」
悩むような顔の後。
「明日は、ウニョクさんと行って下さい。」
DH「え？どうして？」
「ウニョクさんと一緒に来た休暇ですよね？」
DH「そうだけど。」
「ウニョクさんと作る思い出も大事にしないと。」
DH「A。」
ニッコリ微笑んだ。
「最終日はお二人で来て下さい。どこを案内するか考えておきます。」
DH「それは楽しみ！」
会話が途切れると、シンと静まり返る住宅街に漂う静寂に飲み込ませそうになった。
「いつも…送って頂いてありがとうございます…。」
DH「遅くに女性を一人で帰すなんて。引っ張りまわしてるのは俺だしね。」
合っていた視線が落ちる。
「それじゃ…おやすみなさい…。」
DH「うん…。おや…すみ。」
待って…
A…
まだ…一緒に…
まだ…側に…
長い髪が揺れて小さな背中を見せる。
ドンへは引き止めるように細い腕を掴んでいた。
ハッと驚いた顔が振り返る。
「どう…したんですか…？」
ジッとAを見つめて、間合いを詰めるように歩み寄ってくる。
「ドンへ…さん…？」
近過ぎるくらいの距離で、絡みつかせる視線。
DH「そろそろ…ドンへって呼べよ…。」
「……え…。」
伸びた手が首筋にそっと添えられる。
伏せた視線に色気さえ含ませて、ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。
コロンの匂いの混ざる吐息。
逃さないように、Aの細い腰を片手が抱いた。
「あ…あの…。」
DH「シー……。」
迎えに来た唇がほんの少し開いて、Aの艶やかな唇と触れ合う寸前だった。
JN『路上で堂々女とキスとは…。もう少し立場をわきまえるべきだね。』
ドキドキする心臓の鼓動。
緊張感の間に割って入るような聞いた声。
ハッとするAは顔を向ける。
JN『Aも。少し考えないとね。』
『ジュ…ン…。』
せっかく捕まえていたAの身体は逃げるようにドンへの手を抜け出した。
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姫稀(プロフ) - ゆちょみんさん、こんにちは♪ドンへ大好きな姫稀と申します。何て素敵な出会い!!再会の場面なんてドキドキしてしまいました。ヒロインちゃんの揺れ動くココロとドンへくんの行動に泣きながらもキュンとして早く続きを読みに行きたいと思います♪ (2018年10月2日 15時) (携帯から) (
レス) id: 674af9cd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みんははさん» さすがです！それだけ読んで下さっていてホント嬉しいです！ (2017年5月15日 12時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - ドンへも主人公ちゃんもつらいなー( > <。)でもゆちょみんさんのお話読む側としては覚悟はできてます（え？） (2017年5月15日 10時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りこさん» また読みに来て頂いて嬉しいです。今回は初っ端からちょっと困難漂ってますね。私もどうしていこうか決めていないので、どうなっていくのか気分で流される様を楽しんで下さい。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
りこ - ゆちょみんさんのお話しは毎回楽しみです。でも今回のは余りにも切なくて涙が出そうです。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2017年5月12日 17時
