意気地なし ページ27
ユノたちと別れてAを送る道のり。
ずっと俯いて、手を引かれているA。
その目を真っ赤にしていた。
DH「ユノヒョンたちと…何の話を…？」
「何でも…ありません…。」
繰り返された同じ会話。
その後が続かなくて流れてしまう沈黙。
足を止めるドンへはAに向き直る。
DH「A…。」
上げられない顔。
大きな手がそっと頬を包むように触れた。
DH「俺と…もう会うなと…言われたな？」
「え…。」
驚いた表情が無意識に持ち上がった。
小さなため息。
DH「やっぱり…。」
「ち…違います…。」
DH「いいんだ…。分かってるよ…。」
心配してくれただけだ…
俺が…
辛い想いをするんじゃないかと…
DH「Aを泣かせるなんて…。ごめんな…文句言っとくよ。」
軽い口調を装って笑ってみせた。
小さな手を引いて再び歩き出す。
DH「それにしても、食事、美味しかったな。」
ユノヒョンとチャンミンには…
随分強気に出たけど…
DH「あの二人は日本に何度も来てて、詳しいんだ。」
俺はやっぱり…
意気地がなくて…
DH「あの店…幾らしたんだろうなぁ…。毎回凄いとこ連れてってくれんだけどさ…。」
キミに…
初めて出会った時も…
たった一言が言えなかった自分に…
散々後悔したのに…
DH「俺ももう少しちゃんとした店、知らないとダメだなぁ。」
真っ直ぐ想いを伝えて…
キミの困る顔が想像出来てしまって…
DH「Aの事、デートに誘う時困るな。」
一人喋り続けるドンへ。
かるく笑った。
いつの間にかたどり着くAのマンションの前。
握りしめていた手を離す。
これから先…
キミの泣く姿が…
想像出来てしまって…
言えない…
DH「今日はありがとう。楽しかった。」
何も言わず小さく頭を下げるだけのA。
こうして…
向き合ってるだけとは違う…
想いを通わせれば…
辛くなる…
苦しくなる…
寂しくなる…
確実に訪れる…
会えない時間…
DH「おやすみ。ほら、入れよ。」
「おやすみ…なさい…。」
長い髪を揺らして見せる背中。
Aは足早に中に消えていく。
抱きしめたいのに…
好きだと言いたいのに…
言っていいのか…
迷ってる…
拳をギュッと握りしめる。
だけど…
DH「A……好き…だよ。」
ドンへはもう見えない背中に小さく囁いた。
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姫稀(プロフ) - ゆちょみんさん、こんにちは♪ドンへ大好きな姫稀と申します。何て素敵な出会い!!再会の場面なんてドキドキしてしまいました。ヒロインちゃんの揺れ動くココロとドンへくんの行動に泣きながらもキュンとして早く続きを読みに行きたいと思います♪ (2018年10月2日 15時) (携帯から) (
レス) id: 674af9cd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みんははさん» さすがです！それだけ読んで下さっていてホント嬉しいです！ (2017年5月15日 12時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - ドンへも主人公ちゃんもつらいなー( > <。)でもゆちょみんさんのお話読む側としては覚悟はできてます（え？） (2017年5月15日 10時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りこさん» また読みに来て頂いて嬉しいです。今回は初っ端からちょっと困難漂ってますね。私もどうしていこうか決めていないので、どうなっていくのか気分で流される様を楽しんで下さい。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
りこ - ゆちょみんさんのお話しは毎回楽しみです。でも今回のは余りにも切なくて涙が出そうです。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2017年5月12日 17時
