交換した連絡先 ページ17
「ソムリエっていますよね？お客様に合うワインをお勧めするって言う。」
ドンへは小さく頷いた。
「それと同じです。訪れる人が求めている本を選んでお勧めする仕事。」
DH「別れた彼と同じ空間にいるのは…辛いんじゃ…？」
それでも…
あそこに通うということは…
未練…
もしくは…
まだ彼を想うからじゃ…？
Aは首を横に振った。
「翻訳の仕事で使いたい本を探してもらったり、面白い本を勧めてもらったり。ジュンとはいい友達です。」
DH「友達…。」
「正直…別れた当初は辛かった…。でも今は大丈夫です。一緒にいると気を使わないからラクだし。割り切って付き合ってますから。」
見せる苦笑い。
「それより、連絡先を。」
思い出したように携帯を持ち上げるA。
細い腕を軽く引くドンへ。
Aをギュッと抱きしめた。
あまりに唐突で驚くA。
馴染みのないドンへの匂いを感じた。
DH「……じゃあ…いいかな…。」
「……え？」
DH「俺は…キミの側に存在しても…いいかな…。」
キミが…
彼の事を想うのなら…
割って入るには…
俺はあまりに無力…
でも…許させれなら…
日本で自由を楽しめる間くらいは…
キミの側に…
キミと一緒に…
「ドンへさんて…不思議な人ですね。」
抱きしめる力が緩む。
絡みつかせてしまう視線。
「側に存在してもいいか…なんて聞いた人いませんよ。」
DH「そう…かな。」
初めてなの…
私を尋ねてくれた人も…
私に会いたかったと…
雨の中で肩を震わせた人も…
私の側に…
存在したいなんて言った人も…
だから…
「私も…知りたい…。」
あなたを…
ずっと険しかったドンへの表情が緩んでいく。
DH「ありがとう…。」
ドンへが微笑めば、Aも自然と微笑んだ。
DH「番号。教えて。あ、ラインやってる？」
「やってますけど、友達登録どうやってやるんですか？」
DH「貸して。」
顔をつき合わせて交換する連絡先。
お互いに繋がった事を確認し合う。
電話番号ひとつで…
ラインひとつで…
こんなに側にいるような気になって…
ホッとしたのは…
俺も…
キミが初めてだよ…
手にしていた携帯がブンブン震える。
視線を落とせばウニョク。
EH(もうっ！一人でどっか行って！心配して戻って来たのに！)
苦笑いを浮かべながら携帯をタップするドンへを、Aはジッと見つめていた。
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姫稀(プロフ) - ゆちょみんさん、こんにちは♪ドンへ大好きな姫稀と申します。何て素敵な出会い!!再会の場面なんてドキドキしてしまいました。ヒロインちゃんの揺れ動くココロとドンへくんの行動に泣きながらもキュンとして早く続きを読みに行きたいと思います♪ (2018年10月2日 15時) (携帯から) (
レス) id: 674af9cd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みんははさん» さすがです！それだけ読んで下さっていてホント嬉しいです！ (2017年5月15日 12時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - ドンへも主人公ちゃんもつらいなー( > <。)でもゆちょみんさんのお話読む側としては覚悟はできてます（え？） (2017年5月15日 10時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りこさん» また読みに来て頂いて嬉しいです。今回は初っ端からちょっと困難漂ってますね。私もどうしていこうか決めていないので、どうなっていくのか気分で流される様を楽しんで下さい。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
りこ - ゆちょみんさんのお話しは毎回楽しみです。でも今回のは余りにも切なくて涙が出そうです。 (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2017年5月12日 17時
