変人 ページ4
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______転んだ拍子で前世の記憶を思い出しました。
なんて言ったら周りから白い目で見られるだけだろう。
だが私、悪役令嬢もとい翠弥Aは、前世の記憶がバッチリとあります。
前世の私は薬剤師で、調合は好きなのだけれど、資料通りには作れなかったダメダメ薬剤師だった。
その上自分で火傷して塗り薬を塗ったりと、自分を実験台にするかなりの変人。
そして仕事帰り事故に遭い、呆気なく死に、何故か転生していた。
しかもやり込んだ乙女ゲーの「悪役令嬢」に。
最初は物凄く困惑した。
というか興奮した。
悪役令嬢だとしても、大好きな乙女ゲーの中に居るのだ。
夢でもなく、幻でもなく、正真正銘の現実で。
まぁ、破滅フラグしかないのは問題かもしれないけど。
何とかなるさ!きっと多分恐らく…
それに何より、ここには。
『薬草が沢山あるのよねぇ…』
頬に手を添え、ほう…と惚けた。
私の屋敷は山奥にあるため、火傷に効くモノから下痢に効くモノまで、薬草勢揃いだ。
本当にここは天国だろうか。
だったら神に感謝したい。てかする。
ありがとう、神様!
そう叫びたい衝動を抑えた。
私は腐っても「悪役令嬢」。
品位を落とすような行為はしてはいけない。
悪役令嬢たるもの、清く正しく美しく生きなければ。
そんなことを考えながら、ぷちっと薬草を摘む。
そして籠に入れた。
その籠には薬草が山のように積んであって、人からすればもう十分だろうと言われる程だ。
だが私はまだまだ足りない。
摘み足りない!!
だけど籠がもう限界なので、一回帰ることにした。
『それにしても今日は沢山採れたわね…』
そうポツリと呟く。
まあいつも沢山採れるのだけど。
いつもより沢山採れたと思う方が私は幸せになれる。
ということでいつもそう呟くようにしてるのだ。
それで私は毎回悦に浸れる。
思い込み程素晴らしいものはないんだよ知ってた??(自分だけ)
さく、さくと落ち葉を踏みながら家へと足を進める。
その度に強くなっていく木が焼けるような匂い。
まぁ気の所為だろうと特に急ぐことも無くのんびりと家へ向かうと
家の方向から上がっている煙
赤く燃え上がる炎
流石に家へと急ぐと
『…ふふ、ふふふふふふ……やられた…っ!』
家 が 全 焼 し て ま し た 。
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Nami - 面白かったです!夢主ちゃん今後どうなるのかな?続き気になります。 (8月20日 16時) (レス) @page5 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
ロア - おもろ (2022年9月13日 17時) (レス) @page5 id: f71c6b27b8 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - 物凄く面白かったです!!!家燃やした犯人が気になる〜!実はツンデレだった悪役令嬢可愛いすぎる!更新頑張ってください!!!応援してます!!! (2020年4月21日 22時) (レス) id: 349227220e (このIDを非表示/違反報告)
律 - とっても面白いです!!これから頑張ってください! (2020年3月29日 15時) (レス) id: bfc3e39400 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - はいどうもです。イケメンになりたい。様の作品全部見ているものでーす。(しつこいね☆)自分は悪役キャラなんですよ。劇をやるときは必ず悪役がやりたい!関係なかった…作品の展開が楽しみです!頑張ってください! (2020年3月23日 15時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2020年3月21日 20時