Doll with a heart (ページ15)

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慧とひまわりページ15

side Kei
「…い。慧、起きて！」
「ん…。誰？」
「誰って、俺以外に誰がいるんだよ。」

目を覚ますと、見慣れた大貴の部屋じゃなかった。
目の前にいる彼も、大貴ではない。
ここはどこだろう？

「それにしても、綺麗だね。ひまわり畑って。」

ひまわり畑の存在を知らないはずの僕の口が勝手に動いた。

「でしょ！慧しか連れてきたことないとっておきの場所だからな。」

彼は嬉しそうに笑っている。その笑顔を見ていると、初対面の筈なのに、僕まで嬉しくなる。

君は誰？大貴や涼介はどこに行ったの？

聞きたいことはいっぱいあったけど、声を自分の意思で出せなかった。

「ひまわり本当に綺麗だね。」

その一方で、僕の口は勝手に動く。僕のようで僕じゃないような言葉が口から出てくる。

「綺麗だね。」
「…ひまわりと___はちょっと似てるよね。明るくて上も向いて咲いているところが、__の前向きな所にそっくり。」
「本当？ありがとう。」

今、相手の名前を呼んだのだろうか？けど、何故か彼の名前の部分は聞こえなかった。

……おかしいな。
僕はこの会話を知らないはずなのに、懐かしいって思ってる。

なんでだろう？