◆ ページ2
うぅ…ううん。
なんか、すごい暑苦しい。
おかしいな。最近の朝は寒いぐらいなのに…。
「まだかな〜。早く起きないかな〜。」
何かが俺に抱きついてる?そう思って、俺はそっと目を開けた。
そこには茶髪の中性的な顔をした男がいた。
「ふ、不審者!!」
「不審者?なにそれ?」
不審者はそう言い首を傾げる。どうやら自分自身だと気づいてないらしい。
「お前に決まってるだろ!」
「僕が不審者?……ってなに?」
「はぁ?」
「ねぇ!不審者って何?教えて!」
仕方がないので不審者について説明したら、自分は不審者ではないと言い始めた。
「僕は不審者じゃない。」
「じゃあ、お前はなに?」
「昨日、ここに置いてくれたじゃん。」
そう言いながら、不審者はベッドのサイドテーブルを指差した。あそこは人形が置いたあったはずだけど、何故か無くなっていた。
「人形は?盗んだんじゃないだろうな。」
「違う!僕は人形。ここに置いてあった人形だよ。」
「病院行く?」
「病院…はよくわからないけど、ほら見て!」
そう言い不審者は袖をまくった。そして彼の腕を見た瞬間、俺は言葉を失った。
彼の腕は俺たちのものとは違った。彼のひじには、西洋人形が付けている球体関節が付いていた。
「本当に人形なのか?」
「うん。そうだよ。これからよろしくね、ご主人様。」
彼、もとい人形がそう言った。
ってご主人様!?
「ご主人様って何?」
「だって、僕を置いてくれるんでしょ?なら君は僕のご主人様だよ。」
いや、まだ置くと決めたわけじゃ…と言おうとしたけど、人形が捨てられた犬のような目で見るので言わなかった。
「あのさ、ご主人様って呼び方やめてくれない?」
俺はそう言った。人形を家に置く置かないにしても、その呼び方はやっぱり恥ずかしい。
「俺には有岡大貴っていう名前があるんだから、そっちで呼んでくれない?」
「わかったよ。大貴、よろしくね。」
「で、人形の名前は?…いや、人形に名前があるわけないか。」
「けいだよ。」
人形がそう言った。
「けい?」
「そう、僕の名前は慧。」
こう書くんだよ。そう言いながら、人形は紙とペンを借りて名前を書いた。
「改めて、よろしくね大貴。」
「よ、よろしく。」
こうして、俺と人形、もとい慧との生活が始まった。
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作者名:あやか | 作成日時:2018年11月24日 18時