＊ ページ43
「ヒッ……あ……」
「大丈夫。
伊野尾ちゃんが怖いことはしないよ。
大丈夫だからね」
「あ……や、ま、……」
突然のことだし、男の人が怖い伊野尾ちゃんにしてはいけないことだけど。
自分を抑えることが出来なかった。
だんだん落ち着いたのか、最初は伝わってきた伊野尾ちゃんの身体の震えも、しばらくそのままでいたら止まって。
背中に、伊野尾ちゃんの手が恐る恐る回されたのを感じた。
「やま……ちゃ……」
「……伊野尾ちゃん……。
俺は、伊野尾ちゃんを護りたい。
伊野尾ちゃんの傍にいたい。
一緒に居てあげたい。
伊野尾ちゃんが俺だけ平気な理由が偶然でも何でも、これだけは譲りたくない」
たとえ、大ちゃんとか他のメンバーであっても。
「なんで……なんで、やまちゃんは、そんなに……」
「…………伊野尾ちゃん、だから」
「…………なに、それ…………」
肩口が濡れていくのを感じる。
伊野尾ちゃんが、ずっと泣いてるんだ。
小さな嗚咽が聞こえてくる。
抱きしめてないと、消えてしまいそうだ。
さっきの言葉は、伊野尾ちゃんに向けてだけど。
俺自身にも、言い聞かせた言葉。
俺の、自分に対する誓い。
こんなにも優しくて、儚げな彼を護りたい。
いや、絶対に護る。
傍にいる。
なんで、俺がこんなに、って聞いたね。
伊野尾ちゃんだからって、答えになってないよね。
分かってる。
だって、今は言えない。
気付いたんだ。
最近、伊野尾ちゃんの涙しか見てないこと。
もう、見たくないよ。
俺は、伊野尾ちゃんの笑顔がただ見たいって。
伊野尾ちゃんの笑顔が好きなんだって。
伊野尾ちゃんのことが、好きなんだ、って。
男性からの恋愛感情が伊野尾ちゃんを傷つけた。
だから、この想いは、伝えることはできないけれど。
これまではただ、メンバーだから傍にいて支えたいと思ってたんだ。
でも関係無かった。
たとえメンバーじゃなかったとしても、俺は、伊野尾ちゃんを支えたい。
明日からは、伊野尾ちゃんのために今まで以上に全力を尽くすよ。
だから、許してほしい。
今日だけ、抱きしめさせて。
溢れそうな想いが、ただただ腕に力を込めさせた。
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りりた(プロフ) - ☆しんちあけい☆さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(о´∀`о)もう一度だなんてすごく光栄です！完結しましたが番外編を短いですが書こうかなと考えてますので、また覗いてやってください！ (2017年3月2日 21時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
☆しんちあけい☆(プロフ) - …一気に全部読みました。すごく面白かったです！自担が危ない目に遭っちゃう系大好物なんで笑…ちょっと、もっかい読み直してきます笑 (2017年3月2日 21時) (レス) id: e93827b7b3 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - JUMP大好きな白米と猫さん» コメントありがとうございます！山ちゃんは傷ついた伊野尾ちゃんにはとことん優しくを目指してます(笑)亀更新ですがこれからも楽しんで頂けたら幸いです(*^^*) (2017年1月9日 5時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)
JUMP大好きな白米と猫(プロフ) - 山ちゃんマジ優しい！！感動…！(´;ω;｀)伊野ちゃんを助けてあげて！ 続き待ってます(*'▽') (2017年1月9日 0時) (レス) id: f122806c5b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ほのさん» コメントありがとうございます！はい、頑張ります(*^^*) (2017年1月3日 13時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりた
| 作成日時：2016年12月6日 22時
