＊ ページ42
こうなってすぐ、俺は伊野尾ちゃんのことを護りたいと思ってた。
その覚悟もしてたつもりだった。
でも、全然ダメだよ。
人を支える、ということがこんなにも難しいなんて、思いもよらなかった。
……俺じゃなくて、薮ちゃんとか大ちゃんだったらもっと伊野尾ちゃんのこと助けてあげられるのかもしれない。
俺はただ、ご飯を作ってあげるだけ。
過呼吸になった時、何故か落ち着いてくれるから、近くにいるだけ。
『何で山田だけは平気なんだろうね。
やっぱ１番傍にいたから？
山田はさ、何でこんなに伊野ちゃんのことお世話してるの？
変な意味じゃなくて、純粋に疑問なんだけど』
大ちゃんの言葉を思い出す。
多分、襲われた時に助けてあげたのが、たまたま俺だったから。
だから伊野尾ちゃんは、俺だけ平気なのかもしれない。
目が覚めて錯乱状態だった伊野尾ちゃんの傍にいたから。
別に俺じゃなくてもよかったんだよ。
傍にいたのが別の誰かなら、伊野尾ちゃんはきっと俺のことも怖がって、避けて。
今、ここでこうして居ることは出来なくて。
ズキンッ。
心臓に痛みが走った。
なんでこんな……？
混乱する頭を整理したくて、食器の片付けに集中することにした。
全て洗い終えて、やっぱり伊野尾ちゃんに一声かけてから帰ろうと思ってソファで待つ。
……あれ？
ソファの下に雑誌が落ちてる。
「これ……半年くらい前の……」
拾い上げて折れ目のついたページを開けば、俺たち9人が密着して満面の笑みを浮かべたショットが載っていた。
それと。
涙の、跡。
「……その時の俺、ちゃんと笑ってるよね……」
「ッ！
伊野尾ちゃん……」
振り向けば、伊野尾ちゃんが立ってた。
濡れた髪に、滴る水が凄く色っぽい。
温まったからか、頬がほんのり上気して赤みを帯びてるのも、魅力的に見えてしまった。
……違うだろ、俺。
「ちゃんと、って……」
「今の俺、全然ダメなの。
この時みたいに、仕事が楽しいって気持ちになれないの……」
ダメだよね、そんなんじゃ、って。
メンバー失格だよね、って。
こんなんで皆に迷惑かけて、ごめん、って。
なんで、自分が辛いときに俺たちのこと考えてんだよ……！！
伊野尾ちゃんの目から、涙が溢れた。
それを見た、瞬間。
雑誌なんてその場に落として、気付けば伊野尾ちゃんを抱きしめていた。
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りりた(プロフ) - ☆しんちあけい☆さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(о´∀`о)もう一度だなんてすごく光栄です！完結しましたが番外編を短いですが書こうかなと考えてますので、また覗いてやってください！ (2017年3月2日 21時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
☆しんちあけい☆(プロフ) - …一気に全部読みました。すごく面白かったです！自担が危ない目に遭っちゃう系大好物なんで笑…ちょっと、もっかい読み直してきます笑 (2017年3月2日 21時) (レス) id: e93827b7b3 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - JUMP大好きな白米と猫さん» コメントありがとうございます！山ちゃんは傷ついた伊野尾ちゃんにはとことん優しくを目指してます(笑)亀更新ですがこれからも楽しんで頂けたら幸いです(*^^*) (2017年1月9日 5時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)
JUMP大好きな白米と猫(プロフ) - 山ちゃんマジ優しい！！感動…！(´;ω;｀)伊野ちゃんを助けてあげて！ 続き待ってます(*'▽') (2017年1月9日 0時) (レス) id: f122806c5b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ほのさん» コメントありがとうございます！はい、頑張ります(*^^*) (2017年1月3日 13時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりた
| 作成日時：2016年12月6日 22時
