＊ ページ31
「おはよー……」
「はよーっす！」
「おはよ、伊野尾くん」
結局あの後寝付けないまま、仕事に向かった。
寝不足のせいか、若干頭の奥の方が痛む気がする。
意識したら余計に痛くなるから、気の所為にしておこう。
今日はレギュラー番組のスタジオ収録だ。
いつものように楽屋はBESTと７で分かれていて、中に入り挨拶した時には既に他の４人は揃っていた。
大きな声で返ってきた挨拶に、大ちゃんは朝から元気だなぁ、なんて思う。
たかきの低音ボイスがちょっと心地良いや。
「伊野尾……お前」
「ほぇ？」
「……大丈夫か？」
「えっ、なにがぁ？」
「わ、マジだ。
伊野ちゃん、顔悪いぞ？」
「……え、光お前どういう意味だよ！」
「いっ、言い間違えたの！
顔色むちゃくちゃ悪いぞ！」
薮と光が、揃っておれの顔を覗き込んできた。
え、そんなに？
全然自分じゃ分からなくて、首を傾げる。
「伊野尾くんマジ大丈夫？」
「うん、そんななんか体調悪いわけじゃないんだけど」
「えぇっ、ほんとに！？
無理してんじゃないの？」
「してないって！」
たかきの問いに普通に答えたら、大ちゃんが疑ってきた。
確かに頭は痛いけど、今はそれぐらいだし。
仕事を休むわけにはいかない。
そのことはみんなにも分かってるはず。
「……しんどくなったら言いなよ」
「うん、さんきゅ、薮」
察してくれたんだろう、薮がそう言ってくれて、そこでおれの話は終わった。
４人ともそれぞれ、おれが来る前までやっていたことに戻ってくれて、ひとまず安心する。
これ以上追及されてたら、耐えられなかったかもしれない。
カバンを置き、持ってきたお水を飲みながらソファへと腰掛けた。
お水、すごい美味しい。
時計を確認すると、収録本番まで少しだけ時間があった。
ちょっとでも、頭痛が回復しないかという期待を込めて、そっと目を閉じる。
このまま眠れたらどんなにいいんだろう。
どうしてこんなにも、眠れなくなっちゃったのかな。
そんなことを考えているうちにスタッフに呼ばれ、おれは４人とスタジオへ向かった。
結局、頭痛は回復してくれなかった。
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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