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その夜、結局晩ごはんのメニューはお米に合うものになった。
「それじゃ、今日はご飯のおかずに豚の生姜焼きを作ります」
「はい！
あっ、やまだせんせー！」
「なぜ挙手？
えっと、はい、伊野尾くんどうぞ」
「付け合わせのキャベツの千切りが上手くできません！」
「メインの食材差し置いてまず付け合わせから取り掛かろうというのがちょっとよく分からないけどお手本を見せてあげるので真似してください」
「はいはーい」
「お返事は1回です！」
「あはははっ！」
ノリノリかよ、って笑い合いながら作り始めたのは、豚の生姜焼き。
だんだんと伊野尾ちゃんの手つきも上達し始めているのが分かって、今度はもっと難易度高いものでも、なんて考えるとワクワクしてくる。
料理をしている時の伊野尾ちゃんの表情は、かなり明るい。
俺が1人で作っていた最初の頃は、終始暗い表情のままだったのに。
最近は、2人で作る時は楽しそうだし、俺が1人で作ったものだって笑顔で食べてくれている。
そんな伊野尾ちゃんとのご飯の時間が、好きだ。
伊野尾ちゃんも同じだろうか。
伊野尾ちゃんの嫌な記憶を、俺は、少しでも和らげてあげられているだろうか。
そうだといいな。
この時間が、こんな風に穏やかなまま、ずっと続いてくれたら、なんて。
伊野尾ちゃんは心の傷を負っているというのにそう思ってしまうのは、いけないことかもしれないけど。
「うんま！！
あー、やっぱしお肉もご飯に合うなぁ」
「あはは、伊野尾ちゃん勢い良すぎじゃね？」
完成した豚の生姜焼きや、それだけじゃなんだと作ったコンソメスープ、白いご飯を前に手を合わせ、食べ始める。
今日も１日仕事だったし、お腹が空いていたのか、向かい合わせに座る伊野尾ちゃんの食べるペースは早い。
ていうか……！
「ふは、子供かよ！」
「ほぇっ？」
「コメほっぺたについてっから！」
「ウソだろぉ！？」
いくらなんでも勢い良すぎだろ、と笑いが止まらない。
２人して爆笑だ。
「あははっ！どこ！？どれ！？」
「あっははは！
違うって伊野尾ちゃん右！
もっと右っ！」
「分かんねぇよ！取ってよ！」
「ったく、ほらここだって！」
ずいっ、と伊野尾ちゃんの顔が間近に寄せられて、笑いながら頬についたお米を取ってあげた。
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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