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「あとで作り方教えてあげるね」
「えっ、やまだ特製なんでしょ？
秘密なんじゃないの？」
「うん、でも伊野尾ちゃんだけ特別」
そう言ってやまだが笑いかけてきた。
特別、に。
そうなんだ……おれだけ……。
「うれしい……ありがと」
「っ、う、うん」
気付いたら頬が自然と緩んで、でも、少し照れながら、ふんわり笑ってお礼を伝えたら、やまだが何故か視線を逸らしてしまった。
それから、やまだ特製のだし汁を加えて、お砂糖とかみりんとか調味料を加えて。
しばらくの間煮込んだら完成なんだって。
意外と簡単？
いやでもたぶん、だし汁も調味料の量もやまだに言われるがまんまだから、自分でやってたらバランスとか全然分かんなかったんだろうなぁ。
煮込んでる間に、やまだがお味噌汁作ってくれたりして。
パパっとこなすやまだの手際の良さに改めて感心した。
そろそろかな？って落し蓋を開けて(落し蓋なんてのもあるんだって本当に驚いてたら和食では欠かせないらしい)じゃがいもを竹串で刺してみると、ほどよい固さに仕上がっていた。
いい匂いがする。
お腹が空いてくる。
お米も、ちょっとイイやつを炊いて。
合間にお味噌汁も作って。
食卓に綺麗に盛りつけて。
「完成！」
「ほぁぁぁ……！！」
「どんな反応よ」
「いやもうホントにやまちゃん天才じゃない？っていう感動？」
「一緒に作ったんだから伊野尾ちゃんもでしょ！」
面白くて、笑ってたら。
それじゃ、食べようか、って。
やまちゃんが言った。
４人がけのダイニングテーブルの、向かい合わせの席について。
２人一緒に手を合わせて。
「「いただきます」」
食べる時の、挨拶を。
１人の部屋では言わなくなってたなぁ。
食べるのが、怖くなってからは特に。
「……伊野尾ちゃん、先に食べてみる？」
「え、あ……う、ん」
躊躇いながら、小さく頷いた。
どうしよう、さっきまで、あんなに美味しそうで、早く食べたいって思ってたのに。
いざ、食べるとなった時に、この身体は自然と強張り始めてしまった。
だい、じょうぶ。
やまちゃんだけじゃない、自分も作ったんだから。
何も入ってない。
苦くない、痛くない、怖くない。
大丈夫、大丈夫……。
必死に言い聞かせながら、お箸を持つと、肉じゃがにそっと伸ばした。
取り皿に少しだけよそって、じゃがいもを、小さくお箸で切る。
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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