見据える瞳(４) ページ23
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｢……どうすれば｣
震える手が、スマホから手首に渡る。
息が浅くなるのを感じ、ゆっくりと息を吐いた。
そのまま深く吸って、深呼吸する。
落ち着け、まだ何か方法はあるはず。
この状況を打破する、何かが。
｢ひとまず周辺のホテル……は、難しいか。遠くてもいいから空いてないかな……｣
キャリーケースを傍に持ってきて、ソファに座る。
震えていた手はすっかり治って、しっかりしていた。
むしろ、西に来て怯えていた時よりも、自分が何をすべきか、わかっているかもしれない。
スマホで周辺の地図を出して、ホテル案内を探す。
最初に出てくるのはやっぱりカプセルホテルとか、そればかり。
それは最終手段として残しておくとして、それ以外。
当日キャンセルや、当日予約可能なホテルに的を絞る。
同時進行で、小夜美さんにも何度か連絡を取ってみた。
体調不良とは聞いていたけど、緊急事態だからと希望をよせて。
顔合わせ可能な最後の時間まで、あと一時間ちょっと。
やれることは、やっておこう。
もう一度気合いを入れ直して、席を一度立つ。
受付の人にお願いすると、案外すんなり受け入れてくれた。
ほっとして戻ると、泉さんがこちらを向いている。
……やば、おいてけぼりにしちゃった。
｢あ、あの｣
｢受付に何してたの｣
｢えっ？あ……この辺りで連携してるホテルの情報を……｣
｢ふーん……やるじゃん。その発想はなかった｣
思いがけず、泉さんから褒め言葉を貰う。
目をぱちくりさせるが、嬉しくて笑みがこぼれる。
｢予約までは出来ないらしいんですけどね、出来ることはやりたいので｣
｢最早執念だよねぇ〜、どうしてそこまでする訳？｣
｢それ、泉さんが言うんですか……｣
まぁ、別にいいけど。
｢……やらないで後悔なんて、したくないんです｣
呟くように言うと、今度は泉さんが目をぱちくり。
構わず続けて、私は笑ってみせた。
｢昔からそうなんです。ダメでもともと。なら、やらないでどうするんだって｣
やらないで後悔したことが、沢山あったから。
一瞬一瞬を、一秒だって無駄にしたくない。
｢やってもやらなくても同じなら、何かしてみて後悔する方がいい。そうでしょう？｣
それが、私の"生き様"だ。
｢……その根性、買ってあげる｣
｢えっと……買うって？｣
｢手伝ってあげるってこと｣
泉さんは自分のスマホを操作しながら、徐に踵を返す。
｢近くにホテルがいくつかある。ダメもとで、行ってみる？｣
｢……もちろんですっ！｣
いつものように自信たっぷりな、彼に笑った。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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