前途多難(４) ページ17
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私が訪れたのは、とある大きな病院。
前からあるにしては綺麗な内装に、思わず感嘆してしまう。
あ、こんなことしてる暇はない。早くお見舞いに行かなきゃ。
｢おーい。おーいA〜？どこに行くんだ？｣
私が落ち着きなくキョロキョロと辺りを見回すと、視界に映り込むレオ君は言う。
もうこの人は……。さっきも言ったのに、まぁた話聞いてなかったでしょ……。
レオ君ってほんとに三年生なのかな。にわかに信じがたいというか。
まぁ……もう慣れちゃったけどさ。
｢今からあんずさんのお見舞いにいくの、レオ君も知ってるでしょ？｣
｢あんず？……あぁ！あんずか！ここにもいるのか！ほんと色んな所にいるな！｣
｢それはレオ君自身では……？｣
そんな会話をしながら、受付を済ませた。
幸いにも面会制限がかかってなく、鼻歌を歌ってるレオ君と一緒に向かった。
あんずさんと会うのはオーディション以来だけど、そんなに緊張はしていなかった。
ここに来るまでに、レオ君から彼女の話を聞いていたのもあるけど。
初めて会った時から、他人と思えないような。
それくらい彼女には、自分と似たようなものを感じている。
｢失礼します｣
｢おっ、あんずだ！うっちゅ〜☆｣
レオ君が先にあんずさんの元に行く。
｢うっちゅ〜です、月永先輩｣
｢おおっ？！あんずが返してくれた！なんか今ので一曲書けそう！｣
｢月永先輩、病室にらくがきしないでくださいね｣
淡々とした口調との会話が聞こえたところで、レオ君の隣に並ぶ。
その瞬間、突然のことに面食らったのか、あんずさんは口を閉ざした。
あんずさんに小さく頭を下げてから、普段通りに微笑む。
彼女も慌てて会釈するが、直ぐに顔を上げてレオ君の方を見る。
｢つ、月永先輩……なんで、彼女がここに｣
｢ん？なんかお見舞いだって、挨拶したいから来たみたい｣
分かってたんかい。
｢そう……、でも挨拶って……｣
｢実は訳あって、『あの契約』を受けることにしまして｣
｢『あの契約』……じゃあ、あなたも夢ノ咲学院の……｣
｢はい、これからしばらく『プロデュース科』に通うので、あんずさんに会いかったんです｣
『まさか入院されてるなんて思わなかったんですけど』、そう続ける。
あんずさんはそのセリフに反応したのか、少しだけ暗い顔をした。
私はその意味も分からず、首を傾げてみせる。
でもあんずさんは、ハッとして頭を振ったあと。
｢じゃあ、"これからよろしく"、ですね｣
そう言って、微笑したのだった。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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