APTX4869 ５【名探偵コナン】

第209話 ページ44

「それでけぇー局！！遊べなかったのよ！！」

「返す言葉もございません」

肩をすくめて謝罪を述べる。ここ数日、園子お嬢様はこんな感じでご立腹だ。

「もうっ！蘭からも言ってやってよね〜」

「うーん、でもAも反省してるみたいだし、それに関西にはお父さんの仕事でしょっちゅう行くんだからその時にまた和葉ちゃん誘って遊ぼう」

「まぁ、それもそうだけど…」

「園子ごめんね？留学からも帰ってきて初旅行ってとこだったのに……」

「…………………約束よ！次は！絶対に遊ぶんだからね？」

「あい、ごめん絶対破りません」

テーブルに頭をつけて謝罪をしている私に梓さんが苦笑いを浮かべる。

「ところでAその荷物はどうしたの？朝から持ってたよね」

流れるように話題を変えた蘭が私の持つ紙袋を指差す。

「あぁ、これ？大阪土産。前に萩原さんに旅行に行くって話したから」

そう答えると、園子の瞳がキラリと光る。

「それはつまり？」

「？」

「この後会うってこと！？」

「そうなるね、…………届けるだけだよ？」

園子が何を言わんとしているのか気づいて釘をさすも一足遅くて、彼女はもうロマンチックな妄想の中だ。






「本当に本当に何もないからね？」

「大丈夫〜もうすでに二人の物語は始まってるから」

「二人の物語ってなに！？何も起きないよ！！」

無言で手を振られるのがこわい。
気がついたら店の外に押し出され、期待していますの眼差しでにこやかに手を振られる。

「「「いい報告を期待してます」」」

いつの間にか参戦してる蘭と梓さんの顔を見て、これはダメだなと引きつり笑いでポアロを後にする。

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