APTX4869 ５【名探偵コナン】

第205話 ページ39

「おはよう」

朝食後、颯爽とバイクにまたがり現れた服部くんに手を上げて挨拶する。

「おはようさん」

「工藤はまだ蘭たちのところ。そのうち来るだろうけど、実はちょっと今日私の方が一緒に行動出来そうにないんだ。こっち来てからなんだかんだ言って蘭たちといなかったから今日こそは一緒に回ろうって怒られてしまいまして…ただ事件のことは把握しておきたいから昨日の推理を教えて欲しくて…今はトイレって事にして抜けてるんだ」

「…ほんなら大事なとこだけ要所要所で伝えるわ。まず、春日美湖を殺害したんは森和臣とちゃう。真犯人は橋本慎二で、最初から仕組んどったんや、ほんで橋本慎二は自分のアリバイのために毛利探偵にわざわざ依頼をして、その最中に春日美湖の死亡を伝える電話が来るよう日時を設定した。現場にあのおっちゃんが付いてくるのは必然。となったら推理をするのも必然。予め用意していた証拠を辿り、推理は森和臣へとたどり着くっちゅーわけや」

「あの毛利探偵の推理、それも非の打ち所のない完璧な推理だったら横からとやかく言う奴もいない」

「行方不明になったっちゅう子を探して欲しいんゆう依頼はおっちゃんを呼ぶためだけのダミーの依頼。せやから写真の女の子は実在しないって話になんねや」

「成る程ね、でもそれ橋本慎二一人で計画できるもの？」

「せやねん、ほんでそこで写真の女の子らしき人物であり、橋本慎二と親戚の才女、西条千晶が出てくんねん」

「あぁ……なるほど…………でも証拠は？証拠がない」

「んなもん、橋本慎二が持っとる写真があるやんか」

「弱くない？」

「………まぁこれから工藤と当たるさかいあんたらが帰る頃には事件も解決できるはずやで」

「……そっか、流石。それじゃ私はもう行かなきゃ。ありがとう！」

手を挙げてエントランスホールに入り食堂へと向かう。向こうからは工藤がやってきてすれ違いざまに目を合わせる。

「園子が遅いってよ」

「まじ？急ぐわ。検討祈る」

「あぁ…じゃあな」

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