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そんなにたくさん望んでない。
ただ一人たった一人、私のことが特別で大切だって、そう言ってくれれば、私はそれで満たされるのに



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「うん、でもちゃんとミーハーなんかじゃなくて本気の恋だって事が伝わった上で振られたから前向けるって」

教室から出てすぐ廊下の窓に寄りかかって話す。

「そうか、すまないこんなことヒロも自分で聞くに聞けないくせに気にばかりかけるから…」

降谷は少々の呆れを声に滲ませた。

「私は大丈夫。ただ悠はやっぱり傷ついたままだから今はそっとしておいてくれるとありがたいみたい、癒えたら友達として声かけたいって言ってた」

「伝えておく、ごめんなこんな仲介みたいなこと」

「全然、悠のためになるなら「ねぇ!」」

私たちが話していると、やけに明るい声がすぐ隣から遮った。

「零君にAちゃん、やっほ」

降谷は少し驚いたように眉を上げてから目をパチクリさせる。

「竹内か、永江と知り合いなのか?」

「うん、スーパーで運命の出会いを果たした卵友達!」

「……卵友達?」

ちょっと意味がわからないと眉をひそめた降谷に陽菜ちゃんは得意げに笑って私の腕に自分の腕を絡ませた。

「Aちゃんとの秘密なので詳しくは教えません!」

降谷は私に視線をよこす。

「んー、陽菜ちゃんが秘密っていうなら私も秘密」

すると降谷は少しだけ不機嫌になって別にそこまで知りたいわけじゃないと言う。

「ふっふー本当は知りたいくせにぃ」

「拗ねてる降谷ちょっとレアで可愛いね」

私たちの声に降谷は弾かれたように顔をあげる。

「可愛いとかいうなよ」

「でも実際ちょっとだけ不機嫌でしょ?」

「……うるさい」

「…………陽菜!もう行くね!」

突然パッと陽菜ちゃんは私の腕から自分の腕を引っこ抜いて抜いて手を振りながら走っていった。

「嵐……」

「前からあんな風だ」

「かわいいね」

「永江は誰にでも可愛いを言い過ぎじゃないか?」

「まだ根に持ってるの?二人とも本当に可愛いからその感想を言ったまでなんだけどなぁ」

陽菜ちゃんを追っていた視線を降谷に戻すと、先ほどよりもさらにちょっとだけ不機嫌になっていた降谷に思わず笑ってしまったのは許してほしい。

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Lailah(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです。テーマの作品2つにも納得が行きました。その後の話も見てみたかったですがこれはこれで良かったです。良き作品を見せてくれてありがとうございます。 (2021年7月5日 12時) (レス) id: 59f1e2127c (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - とても素敵な作品で、泣いてしまいました(笑)続きを作ってくださるのなら、楽しみにしています! (2021年5月6日 19時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
澪華 - ↓ごめんなさい誤字です。正しくは「楽しく読ませていただきました。」です。 (2020年11月23日 5時) (レス) id: e31bd2e13b (このIDを非表示/違反報告)
澪華 - とても素敵な作品で、楽しく読ませてました。これから二人はどうなるのか、続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年11月23日 5時) (レス) id: e31bd2e13b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても素敵なお話でした。読むのが止まらずあっという間に読み終わってしまいました。 続きが読めるのを楽しみにしてます!! (2020年11月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪路 | 作成日時:2020年10月18日 0時

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