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「それに、何かあっても
私のかっこよくて強〜い、彼氏が守ってくれるから
大丈夫でしょ?」
脱いだままにしていたのか、落ちていた制服の上着を土方に投げた。
これでやっと一枚上手になれたかと
投げた制服が掛かって今は顔の見えない土方にドヤ顔でもしてみた。
「さ。もう遅いし、早く____」
ようやく見えた土方の顔は想像の斜め上を行くものだった。
「……おう」
「ば、…っな、何照れてんのよ!!」
「あァ!?悪ィかよ!…つーかお前が、」
「っだーー、分かった分かった、私が悪かったから」
土方の元に駆け寄って足元に落ちた制服を両手で肩にかけてやった。
「…今日はもう喧嘩したくないの、行こ」
土方が制服を受け取って腕を通す。
「わーったよ、…つーかどこ行く気だ?」
「寿司が良いけどもうこの時間、閉めちゃってるだろうしなあ…。
まあいいや、歌舞伎町歩きながら探しましょう」
「おい、本当に大丈夫なのか?
少しでも痛むなら俺が何か買ってくる」
「まだ言ってんの?大丈夫だから、早く行こう」
「…しんどくなったらすぐに言えよ」
どうやら凄く私の事を心配しているようだった。
そんな土方の手を引っ張って屯所の門口まで歩くと大きな声が聞こえてきた。
「おい、ちょっとA!!まだ出歩いちゃ駄目だっての!!体に障るでしょうが!」
近藤さんの声だった。
「やっぱ今日は辞めとけ」
「…嫌よ」
「明日ならどこでも連れてってやるよ、だから__」
「駅前のカフェ、マヨネーズフェアやるらしいわね」
「…どういうこった」
「この門に手を掛けたらきっと近藤さんと部下が私のこと捕まえに来るわ
かぶき町まで担いで連れてってくれたら一緒に行ってあげる
あんな小洒落たカフェ、男一人じゃ入れないでしょうね」
「聞いたことねェが、そんなフェア」
「店員さんと仲良くてね。先に聞いたのよ
で、どうする?
私とかぶき町に走るか、美味しいマヨネーズを食べずに逃すか」
周りを見れば近藤さんの声で集まった他の隊士もスタンバっていた。
心配してくれるのはありがたいが、私だって3日寝たあとは美味しいご飯が食べたい。
土方がはあ、とため息をつく。
「…どうなっても知らねーぞ」
「わっ、!」
軽々しく私を持ち上げて、所謂お姫様抱っこをして門を開け走り出した。
「と、トシ!!待て!!」
「ふふ、共犯ね」
「ったく、悪ィ女…」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時