35 ページ35
なんで私だけ一緒にいられないんだろう、そんな事何回も考えた。結局、私が剣を握る理由なんて
「分かった、他の奴らには伝えとく。
俺らの事は気にせずに行ってこい」
「…うん」
行くな、って止めて欲しい。
そう心のどこかで思っていた。
”私はそばに居たい”
そう言ったってどうせ止めてくれない
誰よりも芯の通った男だ、こんな事言えば本気で説教されるかもしれない。
「(…時間がもう無い)」
「ねえ、土方」
「どうした?」
「…行きたくない」
返事は無かった。
今、電話の向こうで土方はどんな顔をしているんだろうか。
「もう離れたくない、一緒に_____」
”一緒に居たい”、そう言おうとした時だった。
ドン、と近くで大きな音が聞こえた。
すぐに何人もの女性の悲鳴が聞こえてきて、
その内に逃げろ、と叫ぶ男の声も聞こえてくる。
「A…?どうした、聞こえるか?」
何が起こったか分からず、携帯を耳に当てたまま立ち尽くしていると裏口の向こう側から足音が聞こえてきた。
振り返れば、刀や銃を持った男が数名。
「蘆名A、だな」
「…誰」
私がそう聞くと、一人の男が私に銃を向けた。
「ソレを捨てろ」
男が指すソレ、というのはどうやら携帯のようだ。
「…分かった」
そして携帯からは土方の声。
「A、どうした!何かあったか!」
「…ごめん」
電話を切って、目の前に携帯を捨てた。
「殺せとは言われてない。着いてこい」
裏口から店に入り階段を昇って行くと、私が黙っていて反抗しないせいか男達は油断した様だ。
「私は殺す気だけどねっ…!」
銃を持った男を殴り、それ以外の連中を刀で薙ぎ倒す。
「う゛っ!?」
「クソ、っ!」
あっという間に片付いた男達だった。動きを見る限り下っ端だろう。銃すらも初めて持った様な動きだった。
「(それより、上様があぶない…!)」
まだ意識のある男の胸倉を掴んで問い詰めることにした。
「誰の仕業?」
「…くッ、」
「時間が無い
言わないなら殺して他のやつに聞く、早くして」
「っ
「清河…?特徴は、どんな奴?」
「歳は20、まだ幼い顔してるガキみてェな奴だ!
最上階に居るっ、殺さないでくれ…!」
225人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時