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Aside
「おいA、しっかりしろ、」
「っ馬鹿でしょあんた…ほんっと…っ」
さっき私を刺した男。
あれは間違いなくここに来て最初に会った、あの気絶させたガキだろう。
土方を押しのけ私が前に出た時に目が合ったせいか彼が少し刺すのを躊躇した様で、急所はなんとか免れた。が、そういう気絶しない程度の痛みが人間にとって1番辛い。
土方が携帯を取り出して救護班に連絡している中、私を差したガキの事を思い出していた。
本当はそんな余裕もないくらい痛みが酷かったが、何故かずっと脳裏に浮かんで離れなかった。
まあでも、あんな素人のガキはすぐに捕まるだろう
土方も私も顔はバッチリ見ている訳だし。
「(それにあんな素直な子、私を刺した罪悪感で自首も有り得るしな…)」
なんて、やっぱりこんな痛い中そんな事考えていたくもないので無理矢理会話を始めた。
「っあ、あんたは怪我無いの…?」
「無ェよ、俺の事心配してる場合か。喋るな」
「喋ってないと痛すぎて気が狂いそうなの、なんか喋ってよ…大丈夫、絶対死なないから」
「んな事言われたって…」
「じ、じゃああれ、しりとりの”り”からねっ、りんご」
「はァ…!?…ご、ごま」
「…まだ死にたくない」
「お、おい大丈夫か」
「しりとりよ。次あんたの番、”い”から」
「…イルカ」
「母さんに会いたかったなあ、最後に」
「日記」
「気にしなくいで、私のことは」
「花火」
「びっくりするだろうなあ…みんな。私が死んだなんて聞いたら___」
「笑えるかァァァ!!血まみれの奴が洒落になんねェボケしてんじゃねーよ!!」
「あははっ…痛っ、いたた…」
「言わんこっちゃねェ…馬鹿しねェで黙ってろ」
そんなことをしているうちに救護班も駆けつけてきてあっという間に救急車に乗せられた。土方は逃げた浪士を追うとかでまた現場へ戻っていった。
「(あのガキともまた会うかもな…)」
*
__数日後
「…やっと来た」
この数日病院の窓を眺めるだけの生活だったが、やっと土方が見舞いが来たようだ。
土方は机に飲み物や食べ物、それと何を考えたのかマヨネーズが入った袋を置いてからベット横の椅子に座った。
「…悪かった」
「いいよ別に…。現場にいた浪士の人数も人数だったし、仕事忙しかったでしょ」
「見舞いの話だけじゃねェ、…怪我させちまった事もだ」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時