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ある日の事。
駅前の新作のケーキをテイクアウトして
ルンルンで屯所へ帰っていた所だった。
「…ん、電話だ」
画面には”腐れ副長”の文字。
「はいはい、なんですか」
「お前、今どこだ」
「かぶき町だけど」
「急遽粛清に向かう事になった。お前も来れるか」
「はァ!?私の大事な休日を浪士斬るために使おうっての!?」
「もう十分休んだろうが!」
「私の数年の苦労を知らないからそう言えるのよ!」
「分かった分かった、とにかくだ。人手が欲しい、頼む」
「はあ…気が向いたらね」
電話を切って手に持った新作のケーキを眺める。
早く食べたい、だが今回の粛清で死人が出れば私のせいみたいになるし…。
まあ、屯所に帰って食べてからでも遅くはないだろう。
____
「わあ……」
いつもは騒がしいくせに一段と静まり返った屯所。
もう誰も居ないようだ。
新作のケーキを食べるにはもってこいの環境である。
食堂を独り占めしてケーキにフォークを差した瞬間、また携帯が鳴った。今度はメールだ。
本日2度目の腐れ副長の文字だった。
内容はここに来い、という場所の指定。
味わって食べたいところだがこんなことしている間に死人が出ているかもしれないと考えれば少し怖いので早く食べてさっさと向かうことにした。
「(というか、私まともな休日が無い様な…)」
ケーキは食べたまま片付けずに放置して
刀を手に取り、パトカーに乗って現場へ向かった。
*
「___もしもし、着いたけど」
「そのまま真っ直ぐ行け、そしたら浪士の2,3人位出てくるだろ。そいつらに道聞け、切るぞ」
「え、ちょ…」
言うだけ言って切られたがまあ戦闘中だ、無理もない。既に何人か倒れている浪士を辿って行きながら言われた通りの道を歩いた。
というか、そもそも人を斬る事自体久しい。
護衛をしていたとはいえ実際あんな小者の命を狙いに来る奴なんかいなかったからだ。
「ま、まだ居たのか真選組!!」
「いやっ!びっくりした!!」
物陰から出てきたのは年下か、もしくはまだ未成年であろう男。まだ刀を握るのも慣れていない様子だった。
「…怯えてる?」
「!お、怯えてる訳ないだろう!」
「人なんて斬らないに越した事無いよ、嫌々やってるならここで大人しく捕まった方がいい」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時