15 バレンタイン ページ15
Aside
バレンタイン。それは女が好きな男にチョコを渡す、もしくは世話になってる人に渡す、なんてなんともロマンチックなイベントである。
である、が。
「Aさん、俺にくれねェんですかィ」
この真選組には何百人と男がいるわけで。
こうやって集ってくるクソガキもいるわけだ。
「命狙ってくるやつのチョコなんか買ってない」
「つーことは、誰かに買ってあるんですかィ?」
「…近藤さんに」
「あり、土方さんには渡さねーんですねィ?」
「わ、渡さないわよ…!」
「とか言いながら2つ隠してますよねィ。見え見えですぜ」
「これは自分用!!」
総悟が言う通り、近藤さん用に1つ、土方のを1つ買ってしまった。
買おうと思って買ったわけじゃない。たまたまデパートに行ったら2つセットのものが売っていただけだ。
断じて土方の為に、バレンタインの為にデパートに行ったわけではない。
そして土方に渡すという行為をこのクソガキだけにはバレては行けない…と言いたいところだがもうバレているようだ。
「野郎は素直な女の方が好きですよ」
「うるさい!!」
恥ずかしくなりとりあえず走って自室に戻った。
そうだ、とりあえずまず近藤さんに渡しに行こう。
あいつのチョコはそれからだ。
局長室につき障子越しに近藤さんを呼ぶ。
「近藤さん、居る?」
「Aか。入っていいぞ」
「失礼しま__」
そこにいるのは机を間に向き合う近藤さんと…
「土方っ!?」
タバコを吸いながらあぐらをかく土方。
いつもは社畜の癖にこんな日に限って近藤さんとのんびりしているだなんて…。
「それより、どうした?何か用事があるんだろ」
今私がやるべきことはただ一つ。
近藤さんにチョコレートを渡すこと…
「(これって…近藤さんにだけ渡せば
あれ?俺のは?ってなるし…
で、でもまだ心の準備が…」
「…A?」
「うわぁっ!!」
突然土方に呼びかけられ思わず声を上げてしまった。
と、同時に手に隠し持っていたチョコレートも落としてしまった。
落ちたチョコレートは2つ。
「…っあ、こ、これは…近藤さんに…」
「ああ…確か今日はバレンタインか。ありがとな」
「い、いえいえ……」
落ちたチョコを拾って一つ近藤さんに渡したが
____どうしよう、どうやって渡そう。
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時