オレとオマエ、睨み合い中。【青】 (ページ5)

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盗聴されてるなんて、とっくに危険水域超えているのでは？

女子高生が気がつけないとしても、彼女よりは年長者の店員、あんたは注意喚起するべきではないのか！！

ち「このあいだは、部屋に入ったら知らないうちにお花が生けてあって」

「お花」

ち「うん。可愛いお花だった。

花言葉を調べてみたら"この愛を受け取って"だったの」

「メッセージだな」

もはや私は愕然。

口がぽかんと開いてしまっているのに気づいて、自分で顎を押し上げて戻さなければならないほどだ。

ち「そうだよね……いい加減、気持ちに応えてあげないといけないのかなって。

彼のこと好きとか愛してるとか、それはまだ分かんないけど、そういう答を出すにしても、彼のこと分からなきゃ無理なわけで。

私の中でそういう気持ちが生まれてきちゃってて、このあいだなんか、独り言しちゃったのね、部屋で。"そろそろなのかなぁ"って…

でもほら、考えてみたらこの声って彼が聞けてるわけだから…そしたら、今度は郵便受けにもっと具体的なメッセージが……」

ガタンっ！

あえて音を立てて、私は立ち上がった。二人がこちらに注目する。

限界だ。これ以上聞き過ごすことはできない。

『…あの。失礼ですけど、』

私は立った場所を動かないまま、でも視線は真っ直ぐちったんに向けて言った。

『その男はだめです。危険なストーカーです。』

ちったんは小さく黒目がちな目をキョトンとさせて「え」と身を竦めた。

『どう考えても危ない。それ以上接触しちゃダメです。速く警察に…』

ち「えっと。でも彼は、私が好きだからこそ…」

『分かってます。あなたへの一方的な恋愛感情があるにしても、やっていることは犯罪になる。

いいですか？盗聴器を仕掛けられたということは、その男があなたの部屋に勝手に入ったということ。それは花も同じ。

これらは明らかに住居侵入罪で…』

「おまえ関係ないじゃん」

店員が私をおまえ呼ばわりした。

威圧感ある声に少し怯むけれど、こいつは頼りない。ちったんの恋の行方を守る方が今は何より大切だ。

『目の前に被害者になりそうな子がいるのに、無視できないです』

「他人の恋愛に口出すなんて、ヤボすぎ」

『ストーキング行為は恋愛じゃない。犯罪なんですよ？』

「それはおまえが決めることじゃないだろ」

『私じゃなくても法律が…』

「うっさいっつーの」