夢小説【スタマイ】 (ページ13)

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感謝2【大谷羽鳥】ページ13

「ちょっ…羽鳥さん！」

「はははは、あはははは！
ごめん、ごめーん！だって…はは……。」

ついには机に突っ伏して
笑いを耐えている。

「こんなに真面目に書いたのに！
もういいです！読みません！」

「はー…ごめんってば。
でも嬉しかったよ。
生まれてきてくれて感謝とか。」

さっきまで人の手紙を馬鹿にして
笑い転げていた人が
こんどはありがとうと色っぽく言うのだ。

脳内が処理しきれない。

「手紙ちょうだい。
読んでくれないなら、
俺が帰って1人で読むね。」

「だから最初からそうして
下さいって言ってるじゃないですか！」

無駄に恥ずかしい思いをさせられた。
少し膨れて顔を逸らすと、
彼に引き寄せられた。

そのまま腕の中にすっぽりと
収まってしまう。
ぎゅうと強く抱きしめられる。

(わ…。)

「っ…はーー。ほんっと、Aちゃん
ずるいって。俺だっていっぱい
お礼言いたい。」

「は、羽鳥さん。ちか……」

「生まれてきてくれてありがとう？
俺も思ってるし。
出会ってくれたことにもありがとう？
当然。毎分噛み締めてる。」

どんどん抱きしめる力が強くなる。
苦しいくらいに腕を回され、
顔だって目の前だ。

「羽鳥さ…」

「俺を好きになってくれてありがとう。
隣にいてくれてありがとう。
ケーキ作ってくれてありがとう。
今日という日を一緒に
祝ってくれてありがとう。」

視線が合うともう離せない。
そのまま口付けを交わす。

深く絡み合う行為に
甘ったるいチョコレートの味がして
さっき彼に食べてもらったのを思い出した。

「ん……羽鳥さん…。」

「はぁ…はは、真っ赤。」

彼はちらりと時計を見やり、
明日は仕事オフだからと言った。

「俺の感謝、受け取ってね。」

ベッドの上でネクタイを緩める彼に
そんなことを言われればもう
拒める訳もなくて。

「……お手柔らかにお願いします…。」

目を馳せることしかできないのだった。