夢小説【スタマイ】 (ページ12)

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感謝1【大谷羽鳥】ページ12

「羽鳥さん！おめでとう
ございます〜！」

ぱーんとクラッカーの音が鳴る。
羽鳥さんが仕事に一段落をつけ、
自宅に遊びに来てくれた今日は
彼の誕生日だ。

「わ…はは、ありがとうAちゃん。」

照れくさそうに笑う彼を
みてひとまず驚かせたと安堵する。

「羽鳥さん、あと今日
バレンタインですよね！」

私は丹精込めて作った
チョコレートケーキを
お皿に乗せて持ってきた。

「え、すごい。
Aちゃんが作ったの？」

「勿論！頑張りました！
小さく切り分けたぶんもありますから、
そちらはrevelの皆さんに持って行って
あげてください！」

羽鳥さんは大人しく席に座ると
さっそくフォークを手にした。

「ねぇ、食べてもいいの？」

「いいですよ！」

「ありがとう、いただきます。」

一口食べてよく味わったあと
彼はにっこりと微笑んで

「うん、すごく美味しい。
ありがとう。幸せだよ。」

と言ってくれた。

素直に嬉しいと思う反面
ドキドキして手元の紙を
握りしめそうだった。

「は、羽鳥さん！
あの、えっとですね。その。」

「ん？」

「こ、こんな機会もあまりないですし
手紙を書いたんですけど…。」

「手紙？…へぇ。
なんて書いてるの？読んで聞かせて。」

「えっ！」

ケーキと一緒に持って帰ってもらう
つもりだったので内容が読めるものじゃない。
めちゃくちゃ恥ずかしい。

「い、いや。それは…羽鳥さんが
帰ってからのお楽しみということで…。」

「君が俺の目の前で読んでくれる方が
はるかに楽しみ。ね、いいでしょ？
俺誕生日だからさ。」

都合のいいように誕生日だからと
耳打ちしてくる彼を睨む。
そう言われると仕方がなくなり
頬を染めながらゆっくり読み始めた。

「…羽鳥さんへ。」

「うん。」

「お誕生日おめでとうございます。
私は…羽鳥さんと出会えて
良かったと思います。
情報屋じゃないもし普通のなんてことない
羽鳥さんだったとしてもそう思います。」

「なんてことない羽鳥さん…くく…っ」

「ちょっと！笑わないでくださいよ！
私だって恥ずかしいのに！」

「はは、ごめんごめん。続けて？」

「…もう…。……私は、羽鳥さんの
どんなところも好きだし尊敬してるし
全てに感謝してます。
えっと、生まれてきてくれたことに感謝
してるし出会ってくれたことにも感謝して
いて、それで………。」

そこまで読んでふと彼に目をやると
必死で笑いをこらえていた。