22.知ってる ページ24
なかなか止まない笑い声。
そろそろ恥ずかしくなってきたぞ........。
そんな中、
「.....こい」
と、相澤先生は深いため息をつきながら、私に短く言い、歩き始める。
「あ!えっと、し、失礼しましたぁぁ!!」
先生達に挨拶をし、急いで相澤先生を追いかける。
「あのー。先生、どこに向かってるんですか?」
目的が分からない私は問いかけてみた。
「
リカバリーガール?なんで?
そう問いかける前に
「着けばわかる」
と一言。
これ以上は何も言ってくれなさそうなので、私も黙ってついていく。
もう少し話したいのになぁ....。
*
保健室前に着くと、相澤先生はドアを指さす。
入れ
という事なのだろう。
私は頷くと保健室のドアを開ける。
ガラ
「失礼しまーす.....」
「おや、来たかい。とりあえず座りな」
私は目に付いた椅子に座った。
「私なんか呼び出してどうしたんですか?」
「イレイザーから聞いてないのかい?」
「着けばわかると言われたので、私もそんなに深く追求することなくここに来ました.....」
「そうかい。そうかい。少しお願いがあってね」
「お願い.....ですか?」
「アンタにしか頼めない事さ」
私にしか......?
そのお願いとは、デク君の傷を癒したみたいに、
これからも大怪我をした人の傷を癒してあげてほしいという事だった。
でも...........
「私の"個性"はほんとに少し癒すだけで、治すなんてできなくて.....治してあげられなきゃ意味が無いの!!!!」
あれ。
何言ってんだ私は。
役に立てるんだからいいじゃないか。
「あの時がそうだった.....!」
待って。
あの時って何。
「きっと助けられた筈なのに、痛みを癒す事しかできないから......!」
止まらない。
まるで、"元の"花咲Aが話しているような感覚だ。
私、桜庭Aの意思じゃない。
「それに......!!」
やめて。
止まって。
痛い。
頭が割れるように痛い。
リカバリーガールも抱きしめてくれているけれど、止まってくれない涙。
「あぁああぁぁ!!」
「A!!」
私の泣き叫ぶ声を聞いてか、保健室に入ってきた相澤先生。
優しく抱きしめ頭を撫でてくれる。
やっぱり知ってる。
懐かしい感じがする。
落ち着く。
いつの間にか涙は止まっていた。
優しい腕に抱かれたまま、私は意識を手放した。
83人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫亜(プロフ) - 夢女子さん» そうですよね!!それ聞いてなんか安心しましたww (2018年10月14日 12時) (レス) id: 5e2587481b (このIDを非表示/違反報告)
夢女子 - ヒロアカの作品なんてめっちゃあるんですから個性被りなんてよくあることだとおもいますけどねぇ…? (2018年10月12日 8時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫亜 | 作成日時:2018年4月15日 22時