オレンジ ページ8
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パァンッ
「いって、何するんだよ!!」
「うるさい!この浮気男!もう貴方とは終わりよ!」
大学の帰り、自分の彼氏と見知らぬ女のキスを目撃してしまい、人が多い駅のホームだというのに周りに遠慮もせず叩いてしまう。
途端、居心地が悪くなり一目散に駅を飛び出した。
「ああぁ、本当に最悪。」
もうちょっとで記念日だったのに…
初めてできた彼氏の連絡先を消し、予定帳のハートマークを黒く塗りつぶす。
「おい、歩きながらだとあぶねえだろ」
撮った時の嬉しさと勢いで貼った財布の内側のプリクラも剥がそうと爪を立てていると、背後の少し高いところから声をかけられる。
ふと我に返り鞄に荷物を戻そうとすると背中に誰かがぶつかる
「あ、すみません!」
さっきの声の主だろうか、謝らなければと振り返ると、中学高校時代の部活の後輩が私を睨んでいた
「あれ?灰崎くん!久しぶり!」
「久しぶりじゃねえよ、さっきのは何だ」
さっきの…?
久しぶりの後輩の顔と名前を思い出しながら"さっきの"出来事を思い出すと、あのやってしまった光景がフラッシュバックする
「え、もしかして」
「逆の乗り場でもバッチリ聞こえたぞ」
顔が赤くなる。まさか知り合いに見られてたなんて。
必死に弁明しようとしても言葉が出てこず口がパクパクするだけだ
その顔を見た灰崎くんの顔がニヤつく。
「時間あるよな?そこのファミレス行くぞ」
答えを待たずに手首を引っ張りファミレスに連行される。
私は何をされるんだろ、笑われるのだろうか
いや、いっそ豪快に笑ってくれ。
OB会の土産話にでも酒のあてにでもなんにでもなれ…
あ、この子未成年だった。お酒は20歳になってからだぞ…
「ごゆっくりどうぞ〜」
我に返ると、ファミレスの奥の席に座っていた。
周りを見ると、勉強をしている男子大学生数人と仕事帰りのサラリーマンが遠くに座っており、正面には灰崎くんがいた。
「あの、お久しぶりです…」
「なんで敬語なんだよ。しかもさっきも聞いた。」
テーブルに肘をつき、お冷を片手にこちらを見てくる。
その顔はフィールドの悪魔と呼ばれているだけあって、まさに悪魔のような微笑みだった。
「あの、私はなんでここに…」
「さっきの男、彼氏か?」
やっぱりさっきの話だー!!
「元、ね!元彼氏です。はい。」
「あーはいはい。んで?浮気男ってのは?」
そう言えば聞こえてたって言ってたわ。この人。
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美紅(プロフ) - リクで松野空介君、猫が大好きで動物は可愛い、夢主の猫耳帽子。さくらんぼです!お願いします! (2019年1月30日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 伊達 猫メガネさん» はい、男主は生まれた頃引き取られた嘘が嫌いクールなツンデレです。お願いします (2019年1月16日 19時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 伊達 猫メガネさん» ありがとうございます!次は八神玲名、男主は生まれた頃明神家に引き取られた嘘が嫌いクールなツンデレ雷門中に居る男主のリンゴが好きエイリア学園のジェネシスが倒した後、星二郎を庇ってヒロト君が倒れ話したウルビダと双子の姉弟だった お願いします! (2019年1月16日 16時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - リクで風丸くん、苺が好き (2019年1月15日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だてこ | 作成日時:2019年1月15日 18時