2杯 ページ7
時計をみると、姉さんが店に入ってから40分ほど経過している。
スマホはお互い持っているのだが、姉のことだから、はぐれないように店の前で待ってくれているはずだ。
店内マップすらもどこにあるかわからないが、店員に聞くのは自分のプライドが邪魔して嫌だ。
そんなアホらしいプライド、捨てれるのものならとうの昔に捨てている。
___「お前の姉ちゃん、怒らせるとマジで怖いぞ」
前に姉のチームメイトに言われたことを思い出す。
実は、姉とは今一緒に暮らしていない。
生き別れとは少し違うが、別々の場所で育った。
そのため、姉の様子をたまに向こうの園にいる友達に聞いたりするが、この言葉だけはいろんな人から言われる。
実際俺は怒られたことは無く、最初は信じていなかったが、冷静沈着なキャプテンから言われた時に、事実なんだと確信した。
「…観念して、電話するか」
これ以上心配かける訳にも行かず、腹を括って電話をかける。
「ひっ、もしもし」
わずか2コールで出た。もう明日は無いかもしれない。
「A、今どこにいるの」
「ごごごめん姉さん!実は迷っちゃって…」
「迷った?!そこから何が見える?」
そう言われ改めてあたりを見渡すと、広場の中心にあるステージに仮面を被ったお兄さんお姉さんが並んでいた
「えっと、ヒーローショー」
「ヒーローショー?イベント会場か。少し待ってろ」
「わかった…」
返事を聞いたのか聞いてないのかわからないまま切られてしまった。
電話越しではわからなかったが、本気で怒っているのかもしれない。
「いた!A!!」
「姉さん本当にごめん!って、汗だくじゃん!ハンカチハンカチ…!」
「だ、大丈夫だ…はぁ、よかった無事で…」
「なんで泣くの?!本当にごめん、怒ったよね?ごめんね…」
「本当だ!心配したんだぞ、店からでたらAがいなくて、電話しても繋がらなくて、探して探して…」
「探してくれてたんだ。本当にごめんね、ありがとう」
「いや、無事でなによりだ。今度からは一緒に店に入ってくれ。」
「えっ、わかった…」
流れで了承してしまったが、酔わないだろうか
あれ?それより…
「電話、してくれたの?きてないけど」
「いや、何回もかけたはずだぞ?ほら、履歴にも…あ!!」
「ん?あ、これって」
「間違えて、晴矢にかけてる…」
帰ってなんて言われるか、と顔を真っ赤にさせて項垂れている姉が可愛くて仕方がなかった。
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美紅(プロフ) - リクで松野空介君、猫が大好きで動物は可愛い、夢主の猫耳帽子。さくらんぼです!お願いします! (2019年1月30日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 伊達 猫メガネさん» はい、男主は生まれた頃引き取られた嘘が嫌いクールなツンデレです。お願いします (2019年1月16日 19時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 伊達 猫メガネさん» ありがとうございます!次は八神玲名、男主は生まれた頃明神家に引き取られた嘘が嫌いクールなツンデレ雷門中に居る男主のリンゴが好きエイリア学園のジェネシスが倒した後、星二郎を庇ってヒロト君が倒れ話したウルビダと双子の姉弟だった お願いします! (2019年1月16日 16時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - リクで風丸くん、苺が好き (2019年1月15日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だてこ | 作成日時:2019年1月15日 18時