【イナイレ】フルーツジュース【短編集】

2杯 ページ27

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「君はどこから来たの？」


「家族と一緒に日本から。旅行できたの」


「‪おぉ!日本!!ようこそイタリアへ!」



日本と告げると顔を輝かせる彼



「俺、サッカーしてるんだ!そのチームのリーダーが日本人で。 ヒデナカタ って言うんだけど」


「ヒデナカタってあのイタリア代表の?! じゃ、じゃあ貴方も…?」


「あぁ!俺はイタリア代表の選手 フィディオ・アルデナ さ!」


驚いた。ヒデナカタ は日本でも有名なサッカー選手で スポーツには疎い自分でも知っている。

そのチームメイトということは、
彼もまた ものすごい実力の持ち主なはずだ



「だから英語がペラペラなのね!」


「世界で戦うには英語は必須だからね。それに君も英語が喋れるじゃないか」


「私は両親が海外旅行好きで 小さい頃から習ってたの」



他愛もない話をしながら公園通りを抜け市場街にくる



あれ、私ここ通ってない…

聞くと、この道以外は入り組んでいて遠回りになるらしい

だから余計迷ったのか…
やっぱり知らない道を地図なしで歩くものじゃない。と一人再認識をする




「ここからは人が多いからはぐれないようにね」


「わぁっ ちょっと!!」



私の斜め前を歩いていた彼は突然振り返り私の手を掬うように握り、そのまま人混みの中に入っていく


エスコート(というのだろうか)に慣れていない私は突然のことに顔が熱くなる



さすがイタリア人。スマートだなぁ





そんなことを考えていると、いつのまにか市場の外れに出た



「ふぅ。あともうちょっとだよ」



額の汗を拭った彼だが、反対の手はまだ私の手を掴んでいる


「あ、あの…手…」



いまさら恥ずかしくなって言ってしまう



「あっ、ごめん。いきなりレディに失礼だったよね」


「いやいやいや!!!全然そんな失礼だなんて!!手汗かいてたし途中転びかけて引っ張っちゃったし本当にごめんなさい!!!」


あわあわと慌てて謝ると 彼は驚いた顔をしたあと 爽やかな笑顔を向け


「ははっ。君は本当に可愛らしいな」


「かっ〜〜?!?!」


なんでそんな恥ずかしいセリフが言えるんだ!!


まぁた 顔が熱くなる



そんな私を他所に、こっちだよ と手を引いて案内を再開する彼




その後ろ姿に思わず見とれ、手を引かれるまま道を歩いていった

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