39 . 情緒 ページ39
俺は走った。が、久々に走ったためすぐ息が切れた。
こんなんで部活ができるか心配になってきた。
「松倉……ちょっと、いい？」
扉を開けた先には、いっちょ前に赤いアコギを弾く松倉。軽音部なのにアコギかよなんて思ってしまったのは内緒だ。
「は！？お前授業受けてねーくせに部活は参加してたの！？」
だからあんなに馴染んでたのかよ。
なんかあの馴染んだ顔を思い出したら腹が立ってきた。けど、今日は抑える。
「まぁいいや。……あのさ、」
「ん？なんだよ、水くせーな！」
ニヤニヤしてる顔も腹が立つけど我慢我慢。
「その……今までありがとな。」
「んだ、そんなことか。いいんだよ。てかその「今まで」ってやめてくんね？これからもだし。」
コロコロと表情が変わる松倉の顔を見てると、なんだか気持ちが落ち着いていった。
「てか、どうだった？苦しくなかった？大丈夫だった？」
「大丈夫。平気……ぁ、ちょっと力抜けそう。」
緊張した状態から一気に解れたのか、力が抜け、座り込んでしまった。
「無理し過ぎなんだよ。今日知らない人かと思ったし。ゆっくりでいいんだよ。」
「うん……ごめん。ごめん。」
情緒がおかしくなってきた。泣きそう。
「自分責めんなって！……って熱っ！お前熱あんじゃん絶対！」
俺より背は低いくせに軽々と背負われてしまった。
「軽すぎ！食え！」
なんて言われながら保健室へと連行された。
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楓(プロフ) - 私もこの歌に助けられていた時期があり、なんだか共感を覚えました！ (2021年9月8日 14時) (
レス) id: e43a506390 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 如恵留先生！待ってました！！このお話面白くて大好きです。これからの展開もとっても楽しみです！！ (2021年7月27日 16時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祈醒蘭 | 作成日時：2021年7月15日 19時
