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実は風邪を引いてしまったらしい ページ3

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「としみつ、本当にごめん、」



ごめん、と謝る此奴の頰は紅く染まっている。
ついでに黒の長い髪は濡れたままで、水が滴っている。それが気になって、白の首に巻かれているタオルで乾かしてやった。



と「いいよ、お前、風邪引いてんだろ。看病すんのは当たり前だって」



頰を掻きながら言えば、「としみつは優しいなあ、胸毛だけど。」なんて言われた。



と「一言多いわ」



「ふふ、さーせんさーせん」



くすりと優しい笑みを浮かべる此奴は一体何を思っているのだろう。



「としみつ、1つお願いがあります」



と「んえ、何?」



いきなり真剣な表情で言いだすもんだから、ポンコツみたいな声が出てしまう。いや、ポンコツだけどね。(?)



「髪、乾かしてくれますか、、」



と「何それ。そのぐらい、いいけど」



身長の所為か上目遣いでいわれぐっときてしまったが、その後にやった、なんて言ってすんなり立ち上がる此奴は本当に分からない。



と「てつやだったらやばい事になってるね」




「ワンチャンてつやだったらそういう事されてるかもしれん。DT最高やん」



此奴を軽く殴ってやれば、「一応病人です」なんて言われる。それはズルいってば。



と「はやくこっち来てよ、乾かせねえだろ」



「すまんすまん」




ははは、と笑う此奴を無視して、黙って髪を乾かしてやる。さらさらな髪から、いつもとは違う爽やかなシャンプーの匂いがした。



と「シャンプー変えた?」



「良くわかったね、そろそろ変えたいなって思って変えたの」



と「なんかいい匂いする」



「そう」



こうやって素っ気なく返すけど、鏡に映るAの表情は嬉色を浮かべている。



と「そういや、熱はあれど普通に乾かすぐらいはできるやん。」



「良いでしょ、そういう気分だったの。」



と「どういう気分だよ」



「……としみつに甘えたい気分、」



ぼそりとAは呟いて、若干の静かさが訪れる。本当、此奴は可愛い奴。
でも、俺も偶に言われるけど、実は此奴も不器用なトコがある。そんな不器用なAを撫でてやれば、



と「今日だけは何でもきいてやるよ、お姫様。」




と言った。俺はきっと、今晩はペットにされてしまうのだろう。それも此奴だったら許せるけど。




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実は寝顔に水をされてしまったらしい→←実は猫をお風呂に入れたいらしい



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作者名:匿名てゃん | 作成日時:2019年6月22日 19時

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