きみの魔法 III (ページ10)

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そうだ、なんで忘れていたんだろう

あの絵と全く同じ物が家にあった

それはお母さんのお気に入りで、ずっと立て掛けてあった

廉｢でもそれ俺のお母さんが描いたやつやで？｣

紫｢だからそういうことでしょ？

永瀬の家から出た時にちょうど誰かが帰ってきてさ

もしかしてって疑ってた俺は見た瞬間に気付いた

暗闇の中でも由季のお母さんやって...｣

｢訳わかんないよ！私のお母さんはもう10年くらい前に亡くなってるんだからっ...！｣

紫｢由季のお母さんはちゃんと生きてたんや

でも俺...昨日は色々ありすぎて由季にお母さんの姿見せへん方がいいと思ってしまって

由季毎日お母さんの写真に向かって手合わせてたし...急に現れたらな...

きっと一目見ただけで気付くと思ったから｣

だからあの時私の目を隠したの？

もう何が何だか分からない

紫｢偶然はただの偶然やなかった

最後に一つ、聞いてもええ？｣

永瀬くんに向かって座り直し

廉｢うん｣

三人揃ってごくり、と固唾を呑む

紫｢永瀬の誕生日いつ？｣

.

廉｢1月23日｣

.

.

それは私の誕生日だった