きみの魔法 III (ページ5)

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学年トップどころか学校のトップを争う人気の平野紫耀が

どこの誰かも分からないような女が肩を抱きかかえ支えながら歩いているのだから

『紫耀くんが...』

『あの子って誰？！』

私達に隠す様子もなく、大きな声でヒソヒソと喋るとはこの事か

忘れかけて...いや、忘れてはないけれど

平野紫耀という人物はそういう奴だった

しかし意外にも私の名前は知られていたようで

それは永瀬くんと付き合っていたからなのかもしれない

『今日廉くん居ないからって紫耀くんとこかよ』

『やばくね笑』

そうだよね...

やばい奴だよね.....

昨日あんなことがあった永瀬くんだって、

友達からの誘いがあっても断ってずっと私の傍に居てくれてた

もしそれが裏心があるものだったとしても

その中には優しさがあったことも分かってるから

だから....

｢紫耀...｣

肩にかけられた手をそっと引き離そうとしたら

紫｢うるせぇな！｣

聞いたことも無いような大声で叫んだ

｢えっ...｣

そして周りに向かってとんでもない事を言ったんだ

｢ごちゃごちゃ何言ってんのか知らないけどさ...

コイツがどうとかそういう問題の前に、俺が今一緒にいたくて俺がやってんの

とりあえず今さ、俺らお取り込み中だからほっといてくれる？｣