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姫様は座学、華道、乗馬…何でも良くこなす頭の良い方だった。
その優秀さから、ほかの城の殿様からの求婚もされたりした。
蓬莱城からすれば、自慢の姫様だったはずなのに……
____しかし、ある日悲劇が起きた。
「ダメだ、やはり男の子ではないと…」
城主が突然、姫様を否定するようなことを言い出したのだ。
「やはり、蓬莱の伝統を守らなければならない」
そう考えた城主はその日から、姫様に嫌がらせまでとは行かないが
口を聞かなくなるようになった。
それから数日たった日のこと。
姫様が突然いなくなってしまった。
これには国中の全員がショックと悲しみに溢れて城主をとても憎んだ。
一度反乱が起きそうになった時があったのだがなんとか騒ぎが収まり今は姫様が無事に帰ってくるのを願っているだけだった。
そして、姫様の母親である奥様は毎年、姫様が消えた日には彼女がいつ帰ってきてもいいように祭りを開きとにかく賑わうように命じた。
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「…って話さ」
八左ヱ門「おほー…」
三郎「闇が深すぎだろう…蓬莱ってそんな…」
話を聞いた五年生は目が点になり、勘右衛門は少し涙目になっていた。
勘右衛門「ウッウッ…姫様、無事に帰ってくるといいですね」
雷蔵「そんな涙目にならなくても…」
兵助「姫様ッ…グスッ」
雷蔵「兵助???」
優秀ない組が泣いてしまったらキリがない。
彼らを見たおばはウンウンと頷きながらこう言う。
「近々、その奥様主催の祭りが開かれるのさ」
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