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「ん?おやまぁ、綺麗なお嬢さんだね。ぜひうちのものを見ていってくださいな」
兵助「いや、聞きたいことが…」
「これとかどうだい?家の一番売れてる簪なんだ」
兵助の言葉が耳に入っていない店主は、ペラペラと自分語りをし始めた。
一つの簪を手に取って兵助の頭に近づけてまるで我が子のように可愛いと次から次へと褒め言葉が出る。
「これはねぇ、姫様が一番気に入っていた柄の簪なんだよ」
兵助「…姫様?」
兵助が困りながら店主の話を聞いていると、ふと出た”姫様”という言葉。
恐らく蓬莱城の姫様の事だろう。兵助はピタッと固まり真面目な顔つきになる。
勘右衛門「すみません、その話もっと詳しく聞けませんか?」
「あらま、いい男。もしかしたら旅人かい?」
勘右衛門「ま、まあ……」
「なら、ぜひ蓬莱城の姫様の話を土産話として聞いて行って」
途中で勘右衛門が入り込むと、店主のおばは話を始めた____
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文次郎「全くAのやつ!なぜ俺に女装させたがるんだ!」
留三郎「ブブッwwwお、お似合いだぜ文次郎ちゃんwww」
留三郎「テメェ文次郎ぶっころすぞ!」
伊作「ちょっと二人ともやめなよ!」
二人の争いを間に入り伊作が止めると、何とか落ち着いたものの傍からみれば変な人としか思われていないだろう。
そんな二人に仙蔵と長次は深いため息をつく。
仙蔵「なぜコイツらはいつも…」
長次「もそ」
小平太「まぁ賑やかでいいんじゃないか??私は好きだぞ」
仙蔵「誰もお前みたいに呑気にはなれないんだ!」
こっちもこっちで大変だなぁ…とブーメランの犬猿が仙蔵と小平太をみている。
仙蔵「……っと、言ってる暇などないな。さっさと情報を聞いて五年生と合流しよう」
留三郎「聞くって誰に聞くんだ?」
仙蔵「そうだな…あっ」
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