だれ?? ページ19
伊作「…それで?無理して町に行ったと」
『……ごめん』
伊作「ごめんで済まされる事じゃないだろう?四年生と五年生が着いていなかったら今頃売られていたんだよ?」
学園まで運ばれたAは早急に医務室へと運ばれ、いさっくんによる処置を受けた。
目が覚めると笑顔なのに怖い顔をしているいさっくんと冷静な顔をして正座をしてる他六年生と五年生がいる。
伊作「和菓子を買いに行ったんだってね?約束だとか?それは誰との約束?いや、約束…?って?」
『それは言いたくない…でも今日じゃないと時間がなかった』
捨てられた仔犬のように元気のないAをいさっくんは怒れなかった。
それに相手は熱を患っているので、はぁと溜息をついて説教はその場で終わった。
仙蔵「説教は終わったか?」
伊作「まだしたいんだけどね、Aちゃんが熱だしそれはまた今度ってことで…」
小平太「そうか…Aと遊べないのか」
一旦廊下へ出た五年生と六年生。
襖の隙間からAを見るとやはり重度の熱のせいで元気がなく、怒られたのもあり更に落ち込んでいる。
文次郎「病がまだ治りきってなかったのか…それとも久しぶりの環境に身体が追いつけなかったのか…」
留三郎「でも休めば大丈夫だろう?学園長先生に話せばきっと理解してくれる」
長次「…Aの為にボーロを作ってくる」
長次……!!!!とその場にいた六年生全員、彼のことが仏様に見えただろう。
伊作「あと、今回はありがとうね」
兵助「いえ、当然のことをしたまでです」
伊作が五年生の前に立つとお礼を言う。
兵助以外の五年生は当然だとでも言いたげな顔をしている。
仙蔵「まぁ今回は”たまたま”私達が実習に出かけただけであって本来なら私達がAの傍にいるのだがな」
勘右衛門「…先輩、それは嫌味ですか?」
仙蔵「…さぁ?」
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